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ABB、新型技術がメルセデス・ベンツで導入

ABBは5月20日、同社のPixel Paint(ピクセルペイント)が、ドイツにあるメルセデス・ベンツのジンデルフィンゲン工場に導入されたと発表した。
 
ピクセルペイントは、IRB5500などのABBの塗装ロボットと、独立して制御される1000個以上の小さなノズルを備えた塗装ヘッドで構成されている。同システムの最大の特長は、車体に非常に近い位置で追従し、オーバースプレーや空気中のミストを発生させることなく塗料を100%均一に車体へ塗布する点にある。
 
ABBのシミュレーションおよびプログラミングソフトウェアで調整された塗装機のヘッドにより、手間のかかるマスキングや塗装工場での繰り返し作業が不要となる。これにより、廃棄物ゼロ、環境処理要件の削減、全体的な温室効果ガスの排出量削減が見込める。

複雑な意匠も高い再現性を誇る


また、ピクセルペイントの技術は、複雑なデザインもこれまでにない精度で再現することができ、ABBの3Dビジョンシステムによって高い再現性を実現することで、塗装パネルは全て同じ品質での生産が可能となる。
 
ABBロボティクス オートモーティブビジネスラインのマネージングディレクターであるヨルグ・レジャーは、「PixelPaintは、インクジェットプリンタに似た塗装ヘッドを使用しており、広い範囲への塗装が行えるだけでなく細かい部分を正確に表現することができる。手作業を一切必要としない、完全に自動化されたプロセスを実現することで、この技術は消費者の高まる需要に応えて製品の個性を強めると同時に排出ガスの削減を両立させたい自動車メーカーに新たな可能性を開く。メルセデス・ベンツと協力することで、この卓越したデザインビジョンの実現をサポートできることを大変嬉しく思う」と述べる。