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女性ネットワークの会、建築現場見学会in福岡

日本建築仕上学会・女性ネットワークの会(熊野康子主査)は、9月8日、福岡県久留米市にて、九州初となる建築現場見学会を開催した。本見学会は、公益推進協会「建設女子応援ファンド」の助成を受けて実施された。
 
見学場所は、JR久留米駅前に位置する「久留米駅第二街区第一種市街地再開発事業施設建築物建築工事」(施工:フジタ)。本プロジェクトでは、36階建ての住宅棟、3階建ての店舗棟、2階建ての駐輪場棟の3棟が建設されている。

仕上工事、設備工事が進んだ階の見学の様子

 
見学当日は、おもに住宅棟の見学を行った。構造は、柱・梁にプレキャストコンクリート(PCa)、スラブにはハーフPCaと現場打ちコンクリートを組み合わせた工法を採用。外壁や戸境壁は乾式工法でALCパネルを使用し、間仕切りには高い遮音性能を持つ石こうボードが使われている。
 
当日は15人が参加し、福岡県内からの参加者が多かった。建築現場の見学は初めてという人も多く、工事用エレベーターで14階まで上がった後、階段で各階を降りながら構造や設備、内装工事の進行状況を確認した。住居としての形が明確になっていく様子に加え、断熱材の吹き付けや厚み管理の説明では、普段は見ることのできない壁内部の構造に関心を寄せていた。
 
参加者の多くは建設業界の材料メーカー関係者で、PC部材やALCパネル、石こうボードに直接触れるのは初めてとの声もあり、貴重な体験となった。地下1階では建物を支える免震装置も見学し、普段は目にしない設備に高い関心が寄せられた。
 
見学後の休憩時間には、マルコメ提供の4種類の糀甘酒(ノンアル)を試飲。暑い一日だったが、熱中症対策や疲労回復に効果が期待される成分を含む糀甘酒が、参加者のリフレッシュに役立った。 
 
見学後には、けんちくけんせつ女学校代表理事・籠田淳子氏による「女性活躍推進」に関するセミナーを開催した。籠田氏が経営するゼムケンサービスでの具体的な取組みや、外国人材の戦力化に向けた施策も紹介され、参加者にとって参考となる内容であった。
 
東京からの参加者からは「建築現場を見るのは初めてだったが、実際に見ることで多くのことが理解できた。参加してよかった」との感想が寄せられた。また、現場を案内したフジタの松野愛彦所長は「初めての方には難しい部分もあったかもしれないが、建物づくりに興味を持っていただけたら嬉しい。ご参加ありがとうございました」と述べた。
 
閉会の挨拶では、田島ルーフィング福岡営業所に勤務する女性が「九州では女性が気軽に参加できる現場見学会が少ないのが現状である。今後もこのような機会が増えることを願っている」と語った。今後も地方において、女性が参加しやすいイベントを継続的に企画していく予定である。 
 
なお、10月30日には「女性ネットワークの会 2025年講演会」を東京で開催予定。今年はWEBでの同時参加も可能となるよう、準備を進めている。申込み、詳細は日本建築仕上学会の公式HPから。