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コーティング用水性樹脂ガイドブック改訂版

本体価格: 9,350円(税込/送料370円)
著者・出版: 著者 中山 雍晴/出版 塗料報知新聞社
ページ数: 178頁
体裁: B5判
発刊日: 2021年12月20日

ナノメートル世界の可視化とコントロールへの進展

これまで、コーティング用水性樹脂の合成から塗布・造膜・硬化に至るすべてを一冊にまとめた資料は、ほとんどなかった。そこで、現在に至るまでに検討・使用されたすべての水性コーティング用樹脂を分類のうえ整理し、それぞれについてこれまでの研究の経緯と新しい知見をまとめた書籍を2018年に初版を発刊した。膨大な参考文献を加えたことで、「水性塗料や水性コーティングの開発と使用についての整理と知見が得らえる」と、好評だった。

初版から3年経ち、このたびコーティング用水性樹脂に進歩が認められていることからも改定を行った。新設の10章では、「水性塗料の増粘剤に使用する樹脂」について詳述し、役割と合成・樹脂および界面活性剤等との関わりについて解説しいる。

本書では、巻末に「樹脂別索引」が設けられている。これは、アルキド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、無期樹脂といった本書に収録されている各樹脂について、その特徴や使用時の注意事項、ならびに用途を簡潔に説明。さらに、各章内に収録されている詳細な解説部分について、該当するページ数が表示されている「逆引き索引」となっている。

これにより、塗料・コーティングの開発者のみならず、原料製造や取扱い商社の担当者、塗装・コーティングラインの管理者、さらにはこれから水性樹脂を学ぶ未経験者にとっても、樹脂の性質や特徴、塗布・造膜工程の参考資料として有用となっている。あわせて、前述のとおり、各章ごとに国内外の膨大な参考文献が表記されており、これらもさらなる情報収集や研究に役に立つ情報源となるであろう。

本書により、今まであいまいなかたちとなっていた水性樹脂のミクロ構造が、最近の進歩したミクロ分析技術により解明されつつあることを把握でき、塗料・コーティング開発が20世紀のサブミクロン世界から21世紀のナノメートル世界の可視化とコントロールの進展がうかがえ、水性の塗料・インク・コーティング材開発に必須の一冊である。


改定のポイント と 書籍から得られる知識

改定のポイント
●水に影響されることなく精密な合成ができるリビングラジカル重合の活用によりナノ世界のコントロールが始まっている。
●水潜在性動的共有結合や水素結合等の水がかかわる反応性・付着性に斬新な知見が加わりつつある。
●有機系で先行しているナノ顔料の利用が水性系でも急速に進められている。

この3点を中心に改訂し、さらに新設の10章では、「水性塗料の増粘剤に使用する樹脂」について詳述。その役割と合成・樹脂および界面活性剤等との関わりについて解説しています。

書籍から得られる知識
●コーティング用水性樹脂の合成、造膜、硬化にいたる全過程が、この1冊で理解できる。
●付録に各種水性樹脂の応用・用途別索引付き。塗料・コーティング剤の技術開発のみならず、原材料販売や塗装・コーティング作業ラインの設計・管理でも役立つ。

目次を立ち読みする

目次

1章 コーティング用水性樹脂の特徴
2章 現行コーティング用水性樹脂の構造と使い分け
3章 コーティング用水性樹脂の合成
4章 水性樹脂の安定性に関与する要因
5章 水中での官能基の挙動
6章 造膜機構および塗膜性能
7章 水性樹脂塗膜の架橋環境調整
8章 水性樹脂塗膜の欠点と利点
9章 塗装環境と架橋反応
10章 水性塗料の増粘剤に使用する樹脂
付録:樹脂別索引

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