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2016 業界5大ニュース<グローバル編>

4位 ダウとデュポンが対等合併に合意。新社名はダウ・デュポンに 

ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー(本社:米国)およびデュポン(本社:米国)は、両社の取締役会が全会一致で、両社の対等合弁に合意したと発表した。新会社名は「ダウ・デュポン」となる。統合後、農業関連会社、素材科学会社、特殊化学品会社の3つの独立した上場企業を設立する計画で、合弁完了後(2016年下半期予定)、18カ月から24カ月以内に完了する見込み。統合により、約30億㌦のコスト削減効果と約300億㌦の成長効果が見込まれるとしている。なお、合弁発表時点(2015年12月14日)における時価総額は1300億㌦となっている。

ダウの会長兼CEOアンドリュー・リバリス氏は、「今回の合併は、化学業界の流れを変えるものであり、イノベーションそして材料科学における二つの強力なリーダーを一つにするという、10年以上目指してきたビジョンの集大成ともいえるものである。世界の複雑化した課題や機会を受け、この10年の間に、業界全体が構造的な変化に直面してきた。それにより企業は、先見性、敏捷性そして実行への注力が求められている。この合併取引は、ダウが継続してきた改革を最大限に推し進めるものであり、重大な価値を創出するとともに、3つの強力な新会社を生み出すものである。対等な合併により、両社の成長性を大幅に強化するとともに、株主や顧客に向けて価値を創出していく」と話している。

また、デュポンの会長兼CEOエドワード・ブリーン氏は、「それぞれの事業会社は、資本をより効果的に配分し、イノベーション力を効率的に適用するとともに、付加価値のある製品とソリューションを世界中のより広い顧客に提供することが可能になる。デュポンにとっては、さらなる高成長や高付加価値を可能にする決定的な飛躍になり、対等な合併により、コスト削減効果と成長効果が生まれ、短期的にも重大な価値が生み出される」と述べる。なお、合併完了後、リバリス氏がダウ・デュポン取締役執行役会長に就任し、ブリーン氏が、ダウ・デュポンCEOに就任する。

『塗料報知』2016年1月27日号1面(No.4129)

5位 BASF、アクゾに工業用塗料事業の売却

BASF(ドイツ)は、アクゾノーベル社(オランダ)への工業用塗料事業の売却と、アルベマール社(アメリカ)傘下の表面処理剤メーカー、シェメタル社(ドイツ)の買収を完了したと発表した。

BASFの工業用塗料事業は、コイル、パネルコーティング、壁紙用塗料や風力向け等の工業用塗料を欧州・中東・アフリカ地域で行っていた。2015年BASFコーティングス事業部の世界売上高は32億ユーロで、今回売却した工業用塗料事業の売上は、全体の1割にあたる約3億ユーロであった。

一方、シェメタル社は表面処理剤の分野において、カスタマイズした技術とシステムソリューションの開発と製造を行っている。自動車や航空宇宙産業、アルミニウムフィニッシングや金属成型など幅広い産業や最終市場で使われおり、2015年のシェメタル社の売上高は8億4500万米ドルだった。

BASFは、表面処理のマーケットリーダーであるシェメタル社の専門知識を結集させ、世界各地で有するインフラやマーケットを統合し合理化を図っていく。コーティングス事業部代表の、マーカス・カミース氏は、「シェメタル社の買収により、BASFは市場を大幅に拡大することができます。グローバルにおいてマーケットリーダーである両社の専門知識と革新力を組み合わせることで、イノベーションを加速させ、お客様にさらなる成功をもたらします」とコメントしている。

『塗料報知』2016年12月27日号3面(No.4162)

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