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CJ展【大阪】レポート、アンデックス編

RX Japanは、5月8日から10日まで、大阪市住之江区のインテックス大阪2号館において「第7回[関西]塗料・塗装設備展(コーティングジャパン)」を開催した。ここでは、編集部が注目したブースを紹介する。

溶剤、粉体塗装どちらも対応の高捕集排気ユニット

アンデックスは、展示会初登場の高捕集排気ユニット「ALTA(アルタ)」を提案(参考出品)。溶剤塗料、水性塗料、粉体塗料に対応する排気ユニットで、それぞれの塗料に最適なフィルターコンビネーションで捕集効率99・95%を達成する。製品の肝となるフィルターは3種あり、ロール式の「プレロールフィルター」、粘性のあるミストをキャッチする「アコーデオンフィルター」、小さなミストをキャッチする「ウルトラウェブフィルター」により、高い捕集を誇る。また、屋外に塗料ミストが流出しない設計により、ダクトからの排気で屋根が汚れず、雨水枡(うすいます)や側溝の汚染もない。

高捕集排気ユニット「ALTA(アルタ)」

粘性のあるミストをキャッチする「アコーデオンフィルター」

 

小さなミストをキャッチする「ウルトラウェブフィルター」


近年、溶剤塗装を行っている事業者が粉体塗装を検討している事例も増えており、そのニーズに対応するための設備を開発したもの。こうした展示会でユーザーに意見を聞き取り、反映した製品の上市を目指すという。溶剤と粉体塗装の捕集排気ユニットを揃えるよりも、コストを抑えることができるそうだ。

共同開発製品によるソリューション

アンデックスのブースでは、テーマとしているのがカーボンニュートラルや省エネといった環境負荷低減のための提案だ。さらには、現場の暑さ対策などの作業環境を改善する開発も進めている。他業界の企業とコラボレーションした開発も増えており、その一つが、中部電力ミライズと共同開発した「蒸気レス化」と「ヒートポンプ」をキーワードにした課題解決製品だ。これまで、塗装乾燥工程では蒸気を使用したシステムが主流であったが、同システムはエネルギーロスが大きいため、脱炭素という観点から新たな方法が模索されていた。さらに、電化への移行に加えヒートポンプによる送水温度を緩和するという設計により経済性や環境性を高めている。

具体的な製品として、ヒートポンプ式乾燥炉「CABOVEN」は、温水循環ヒートポンプにより高いエネルギー効率を実現した乾燥炉。また、ウエットエアー式空調機「WETCOMⅡ」は、蒸気レス化を実現し、一般的にヒートポンプが苦手としていた加湿性能を安定させた。いずれも省エネ性に優れた製品となっている。

ウエットエアー式空調機「WETCOMⅡ」の模型


作業環境の改善として、川崎重工業と共同開発した溶剤除去装置「SOLVENT CLEANER」を展示。装置の移動が可能で、排気ダクトを不要となる装置だ。屋内排気が可能で循環式による空調ロスも低減し、局所配置装置としても応用可能である。今後、ユーザーの使用方法などを探り、上市の準備をするとのことだ。

溶剤除去装置「SOLVENT CLEANER」