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BTX2021年実績、 回復示すもリスク膨らむ

日本芳香族工業会(横田宏幸会長)は3月8日、ベンゼン(B)、トルエン(T)、キシレン(X)の2021年需要実績と2022年需要見通しを発表した。同工業会から概要説明があり「コロナ禍の影響で大幅に縮小した2020年からの落ち込みからは回復傾向にあるが、2019年比までは戻らずにいる。これは2018年から中国においての増産傾向も要因にある。ただし、需要部門の最終製品は堅調に今後も推移するのではないか」との見通しを発表した。同工業会会員ベースの2021年BTX全体需要実績の合計は、前年比6.0%増の101万4900tであった。パラキシレン向けの需要が安定を見せ、トルエンの溶剤向けでは、塗料やインク向けも需要が増加した。

2022年においては、ベンゼンはスチレンモノマー向け等において、定期修繕の影響で前年比を割り込む見込みとした。トルエン、キシレンについては、横ばいを予測した。足元では、ウクライナ情勢等により、原油価格上昇に製品価格が追いつかず、今後の採算が厳しくなっていく模様。採算割れにより、稼働調整も検討材料にあると言う。また、物理的に輸入ナフサの供給が滞ることで、稼働を絞るケースも出てくるとのこと。