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内浜化成とNPAC、型内塗装外装部品量産開始

内浜化成と日本ペイント・オートモーティブコーティングス(NPAC)は、自動車向け熱可塑性樹脂大型外装部品の型内塗装(インモールドコーティング)技術を共同で開発。この技術を使用したピラー部品が、国内で初めてトヨタ自動車の「レクサスLM」に採用されることが決定した。部品生産は7月から開始され、同月中に量産車へ搭載される予定。

レクサスLM(引用元:トヨタ自動車)

 

型内塗装を用いたピラー部品(同)


今回量産が開始されるレクサスLMのピラー部品は、車両の窓ガラスと一体化する構造であることから、特にデザイン性と耐久性が求められる重要な部位。型内塗装技術は、高い表面平滑性を実現し、美しい外観を付与しながら厳格な品質基準を満たせることに加え、VOC排出量の削減により環境にも配慮した製品設計となっている。こうした技術が高級車にふさわしい価値を付加できることが認められ、トヨタ自動車とトヨタ車体の協力のもと量産車に採用された。
 
内浜化成とNPACが開発した型内塗装技術は、樹脂成形と表面塗装を一工程で行う方法で、金型内で樹脂成形をした後に塗料を注入し、成形品の表面に塗膜を形成する。従来の塗装方法で必要とされた「塗装ブース」や「塗装後の乾燥炉」が不要となるため、工程を短縮するほか、COの排出量を60%削減し(内浜化成計算値)、さらにはVOC排出量ゼロ化にも寄与する。また、型内塗装で用いる塗料はNPACが開発した無溶剤型で、99%以上のVOC削減を実現したうえで従来塗装の品質を担保する。
 
今後は、型内塗装の特長である金型転写技術を活用し、幾何学模様やエンボス調加工など繊細なデザインを施した製品や、多彩なカラーバリエーションをラインナップに加えることで、自動車デザインのさらなる可能性を広げることを目標としている。