DIC、千葉工場にエポキシ樹脂プラント新設
DICは8月1日、今後成長が見込まれる半導体実装分野や先端電子部品分野を中心に、同社独自の「ケミトロニクス」ソリューションを提供すべく、千葉工場(千葉県市原市)にエポキシ樹脂の新プラントを建設することを発表した。
本投資計画は、経済安全保障推進法に基づく「供給確保計画」として経済産業省より認定を受けたものであり、最大30億円の助成を受ける予定。
エポキシ樹脂は、成形性・耐熱性・電気絶縁性・接着性に優れる熱硬化型樹脂で、幅広い産業で使用されている。DICは1968年から同樹脂の製造・販売を手がけており、原料から製品まで一貫して分子設計を行う体制と、長年の量産ノウハウを強みに最先端製品を提供してきた。
とりわけ、通信の高速・大容量化に伴い高耐熱性や寸法安定性、伝送損失の低減が求められる半導体用途では、同社のエポキシ樹脂が不可欠な素材となっており、安定供給の重要性が高まっている。
しかしながら、千葉工場の既存プラントだけでは将来的な需要拡大に対応しきれない課題がある。これを受け、同社は既存設備に隣接する形で新プラントを建設し、生産能力の中長期的な確保と新たな生産プロセスの導入による品質・生産性の向上を図り、競争力を強化する方針である。
今回の認定を踏まえ、DICは半導体材料の安定供給体制の構築と、エレクトロニクス分野における科学技術の進展に貢献していく。
「供給確保計画」の概要は次の通り。
▽生産場所=千葉工場
▽供給開始=2029年7月
▽生産能力=半導体用エポキシ樹脂の生産能力を約59%増強
▽最大助成額=30億円