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日本塗装工業会総会、 会長に加藤憲利氏

日本塗装工業会(北原正会長)は、5月26日午後1時から東京都千代田区大手町のLEVELⅩⅩⅠ東京會舘で「第63回定時総会」を開いた。総会後に理事会が行われ役員改選があり、副会長の加藤憲利氏が会長に、常任理事の西下武則氏、宮木章吉氏が副会長に新たに選任された。 

総会では、あいさつに立つ北原会長が「大変長い間皆さんと接することが出来ず、今日再び48名の皆さんとお会いできることに御礼申し上げたい。会長になって2期4年いろいろな事があった。ここへきて国交省に大きな変化が出てきた。民間工事におけるダンピングを防止するため、民事へ介入する意向を示している。本日配布の国交省資料〝建設業技能労働者の処遇改善に向けて〟では、建設業技能労働者の賃金を全生産業の平均レベルまで引き上げることを明確に謳っている。さらに国交省が標準の見積単価を示す動きが具体的になってきた。標準見積単価は我々の盾になる。本日で私は会長を辞任するが、新しい執行部においてもぜひ皆様の協力のもと、新しい建設労働者の仕組みを構築していってほしい」と述べた。議案事項は全て承認された。

令和4年度の基本方針は、我が国唯一、47都道府県に支部を持つ全国組織としての「責任と誇り」を自覚し、「伝統と改革の精神」のもと、社会のニーズを的確にとらえた諸施策を推進し、もって業界の持続的な発展と豊かな国づくりに貢献する。

重点施策は、1.安心・安全な環境づくりとともに地球環境保全に取り組み、社会の信頼と期待に応える。2.会員各社が社会的責任を自覚し、塗装業界の健全な発展に努める。3.「技術と経営に優れた専門工事業」として、広く塗装の有益性を発信し豊かな街づくりに貢献する。4.「技術の継承・技能の継承」「人づくり」を推進し、「希望あふれる塗装工事業」として次世代を担う有為な後継者を育成する。5.少子高齢化が進む中、処遇改善・雇用環境の整備など「働き方改革」を進め、より魅力ある産業への進化・発展を目指す。6.関係省庁等が推進する緊要な施策に取り組み、塗装工事業の永続的な繁栄に寄与する提言を行う。 

重点施策の展開は、本部・ブロック・支部の相互連携を強化し、全国組織としての強さと地域特性による柔軟さが両立する組織運営に努めながら、財務の健全化と会務管理を徹底し、展開を図る。1.脱炭素化の推進、産業廃棄物の削減、省エネ等、持続可能な環境づくりに貢献する。また、新型コロナウイルス感染症対策については、国の指針のもと感染拡大防止に向けた取り組みを継続する。2.あらゆる機会を活用し、消費者保護・適正取引等の法令遵守の徹底を図る。3.各種研修会等を通じ技術力・経営力の向上を図るとともに、塗装の意義・必要性を広く知らしめる。また、建設業におけるDXの展開に対応する。4.ICTを積極的に活用した「見てわかる塗装技術の継承」や、技能競技大会による「技能の継承」を積極的に展開するとともに、若手技術者・技能者に特化した教育制度の充実を図る。5.福利厚生の充実や休日確保等に努め、若手入職者確保・女性活躍の推進・外国人材の受入れに継続して取り組む。6.関係省庁等からの照会対応、各種検討会やワーキンググループへの参画、施策に対する提言などを通じて業界の実態が理解、反映されるよう尽力する。(社会保険加入推進、CCUS関連、在留資格「特定技能」による外国人材の受入れなど)事業計画では、特別委員会等における事業推進に取り組む。
 

北原会長から加藤新会長へプレジデンシャルリースが譲渡された


新役員は以下の通り。▽会長=加藤憲利(朝陽塗装工業・新任)▽副会長=若宮昇平(若宮塗装工業所)、松室利幸(伊勢屋テック)、西下武則(ニコー・新任)、宮木章吉(宮木商会・新任)

加藤新会長は就任のあいさつで「長引くコロナの問題、ロシアのウクライナ侵攻で日本の経済に大きな影響を与えている。会員の皆様にとって、より一層有益な事業を構築していかなければいけないと痛切に感じている。総会事項のなかで、新たな基本方針、重点施策、重点施策の展開の報告があった。新たなことを進めるにあたってこの新しい方針からスタートする、当会の羅針盤になってもらいたい。事業については、カーボンニュートラルが喫緊の課題になっている。我々施工会社の団体が何ができるか、何をしなければいけないのかを考えていきたい。現場でのDXは着実に中に入ってきている。場合によっては一つの作業構図が変わるような衝撃が出てくるかもしれない。そういったことも検討し、皆様にフィードバックしていきたい。また、このたび新理事、新支部長が誕生した中に一人も女性がいない。今後は積極的に女性役員を登用していただき、女性理事の目線で政策提言がされることを期待している。昨今暗い話題が多い中、日本が観光地ランキングで世界一になったことで将来に明るい兆しが見えてきた。我々塗装業界においても、希望あふれる塗装工事業を目指していきたい」とあいさつを述べた。
     
会長表彰は次の通り。▽第22回2021年ペインテナンスキャンペーン表彰=施工件数の上位10社(郡山塗装、五日市塗装工業、松永塗装、尾﨑塗装工業、松田塗装店、よしだ、ナガエ塗装、北村塗装店(高知県支部)、北村塗装店(香川県支部)、カトペン)、さらに同上位10支部(高知県、福島県、熊本県、岩手県、山形県、和歌山県、秋田県、宮崎県、徳島県、香川県)の各支部を発表。▽2022年度安全スローガン最優秀作品表彰=「落ちるな 落とすな 見落とすな みんなで目指すゼロ災職場」(山口県支部・理化・山岡和人氏)▽第5回リフォームアワード結果発表=お客様満足部門・戸建て最優秀賞(白川工芸社・兵庫県支部)、同優秀賞(TOM創屋・愛知県支部、杉本塗装工業・大阪府支部、岡本ペンキ店・福井県支部)、同部門・大規模修繕最優秀賞(ツジ建装・愛知県支部)、同優秀賞(建装工業・東京支部、白川工芸社・兵庫県支部)/優秀技術部門・戸建て最優秀賞(藤目塗装・香川県支部)同優秀賞(TOM創屋・愛知県支部、宮木商会・愛知県支部、カトペン・愛知県支部)、同部門・大規模修繕最優秀賞(伊藤塗工部・北海道支部)同優秀賞(建装工業東北支店・宮城県支部、ツジ建装・愛知県支部、モリボー・静岡県支部)