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オキツモ、設立80周年記念式典

2025.12.07

オキツモ(山中重治社長)は、11月4日午後12時30分から三重県名張市桔梗が丘の桔梗が丘ヴェルージュで、設立80周年記念式典を開いた。

関係者が集まり設立80周年を祝った。100周年を見据え持続可能な未来を目指す

あいさつに立った山中社長は「他社とは違う何か。断熱に挑戦し、新分野を切り拓いてきた精神がある。2代目が塗膜に機能をと、中核商品として海外展開も図った。こうした挑戦と創造のDNAが確かに受け継がれている。前例のない挑戦は、来るべく100周年を見据え、化学物質規制の流れから、脱フッ素塗料への代替技術が急務であるなか、これが持続可能な未来となる。いま、中国に新工場・事務所改築に取組み、水性塗料の生産を通して安全と環境においてもグローバルに向けて発信していく。また、医療・光学・電子機器など新しい市場展開を図り、潤滑・光学・絶縁においても多様に社会に貢献していきたい。さらに、大阪の事務所を新しいビジネルの拠点にする。創業の志と挑戦と創造がユニークで他社にない製品を作っている。それがブランドであり、改めて感謝したい」と述べた。
 
来賓祝辞を名張市長の北川裕之氏が「名張市の大きな存在として100周年へ」、また岩谷産業マテリアル本部長専務執行役員の本折憲司氏が「80周年を契機に逞しく歩みだし、革新されていくに違いない」とそれぞれ述べ、祝電が披露されたあと、祝宴に入った。
 
乾杯の発声をオーウエル代表取締役社長の川戸康晴氏が「90年、100年に向けて」と行い、歓談に入り、アトラクションとして「MAGUSイリュージョンショー」を楽しんだあと、閉会のあいさつを同社取締役相談役の山中克敏氏が次のように述べ、閉会した。
「昭和15年生まれの85歳。80周年と人生とが重なっている。23歳のとき、初代が亡くなり継いだ。まだ学生であった。わからないなか、社員の力を借りてスタートした。80歳のとき相談役に就いた。懐かしい思いで一杯だ。今日、記念の集いを開けたが、支えてくれたのは名張の地域社会であり、販売店の皆さんであり、材料を供給いただいている皆さんであり、すべての皆さんに厚く御礼申し上げる。初代は、昭和20年、戦後再出発した。戦後復興の思いが強かったのだと思う。昭和10年にラッカー製造を個人操業した。90年を数えることになる。戦時中は企業整備令が昭和18年に施行され、生産調整、廃業を余儀なくされた。故郷名張に戻り、再出発。厳しい経済環境であったと思う。そこで当時、魔法の砂と言われたシリコーンをベースに断熱塗料を開発。枕詞にある、『おきつも』の名で販売を開始した。その後、高度成長、家電や自動車産業と共に順調に推移していった。タイなどマーケット開発を図った。新たな時代や経済の変化に真摯に対応し、維持発展させてこられたのは皆さまのお陰である。80年を振返り、新しく出発するので引き続きよろしくお願い申し上げる」

なお、式典開催前、午前10時30分から同社本社のショールーム「OKINI」(2014年開設)見学が行われ、これまでの歩みと現在の取組み、未来への展望などが紹介された。コア技術である断熱技術、熱と光をコントロールする塗料、摩擦を減らす塗料を解説(クールテック、ソーラーペイント、耐熱ペイントHIPエアロ、ベアリング等への潤滑塗料など)。また、キッチン、リビング、クルマ・バイクへのOkitsumo×Kurashiや工場、オフィス、ロケットへのOkitsumo×Shakai、スムース〈潤滑コーティング〉、エコ〈省エネ環境貢献〉、バリアス〈機能性〉等が壁面に紹介されていた。
 
なお、小学生などの訪問もあることから、オキツモ塗料研究室が用意されており、「サビって何だろう?」「熱に強い塗料のチカラ」「塗料のチカラは他にもある」などクイズ形式で知ってもらう工夫がなされていた。