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事業継承後の社会への貢献〜バーテック〜

2018.10.25

今、業界は事業継承が課題となっている。社長、会長の引退後、社会との接点を繋ぐ活動にで、社会や業界で貢献できる道もあるのではないだろうか。

バーテック(大阪市・末松仁彦社長)は、末松大幸会長の退任パーティー「48年間の感謝を込めてー末松大幸の恩送りー」を10月13日午後6時から大阪市北区梅田のザ・リッツカールトン大阪4階ボールルームで盛大に開催した。末松社長は開会のあいさつで「今日は父の過去を振り返るだけではなく、これからの未来を語る祝いの場と考えています。父は6月に会長を退任しました。10年前の2008年に事業承継を行い、父が会長、私が社長で10年間経営をやってきました。10年間は事業承継のゴールデンタイムであったのではないかと思っています」と述べた。

末松仁彦社長


来賓祝辞を細川三郎・サンコー物産会長が、「末松さんから事業承継についてコーチングを受け、バトンタッチしたら社会に貢献するように働いたらどうかと教えてもらいました。次の世代に恩送りしていこうという考えで実践しており、それが今日生きていく糧になっています」と述べた。

加藤正敏・日本商工会議所中小企業振興部長は「末松さんはファミリー・ビジネス・アドバイザーの資格を取られて、今年の夏から大阪府のよろず仕事拠点で事業承継支援を担当されています。今後経営者としての経験を活かし“制限なしの青天井”で、悩んでいる経営者の事業承継を一押ししていただければと思います」と祝った。

好川久雄・好川産業社長は「この度完全にバトンタッチという話を聞きました。さらに新たな目標を作られ活躍されるのだと期待しております」と述べ、乾杯の発声を行った。

そのあとのパネルディスカッション「苦悩の時代を振り返る」では、創業者が亡くなった後、縁の下の力として会社を支えた亀岡貞子さんや、新たな事業展開で親身になってアドバイスした尾久土信夫氏から当時の苦労話が語られた。

創業者急逝後、18歳で事業を継いだ末松大幸氏を裏方として会社を支えた亀岡貞子さんに花束贈呈


西川盛朗・日本ファミリー・ビジネス・アドバイザー協会(FBAA)理事長は「日本の企業の97%、上場企業の53%がファミリービジネスです。ところがこのファミリービジネスは事業承継ができない、廃業や倒産という問題で困っています。私共はこのことに注目して、日本のファミリービジネスを元気にしたいと6年前にFBAAという協会を作りました。末松大幸さんはアドバイザーの資格認定書を取られた最初からの仲間です。関西地区において2019年度から関西支部長をお願いすることになりました。

またバーテックは、このほど日本の働いてみたい会社、働き甲斐のある会社に認定され、表彰されました。これは素晴らしいことです。ぜひ仁彦社長に日本のモデル企業として、ファミリービジネスだからこそ社員が働きやすい、そういう会社が作れるということを実現していただきたい」と激励した。

末松大幸取締役コーチ


閉会あいさつを末松大幸取締役コーチが「私共バーテックはファミリービジネス、同族経営そのものです。創業から57年になるのですが、一番大事なのは家族の理解です。家族が一緒に集まりいろんな話をして理解していくことが結束につながっていくと思います。今日の退任パーティーが家族理解ができる絶好のチャンスになったのではないかと思います」と述べた。

ファミリーの理解が事業を存続する上で重要だと語る末松大幸氏