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日本塗装技術協会講演会、自動車塗装DX化

自動車塗装現場においてもAI活用含むDX化が進んできた。2月13日に行われた日本塗装技術協会主催2025年度第3回講演会「自動車塗装現場におけるDX化活動の最前線」においても、現状や未来の方向性が差し示された。

定員満員となった講演会 

トヨタ自動車・モビリティ材料技術部樹脂・塗装設計室グループ長の早田祐貴氏は、「自動車新色開発におけるDX活用」について、過去の塗装評価データと生産車両情報をビッグデータとして活用し、機械学習を用いたAIモデルを構築した事例を紹介。車両の塗装品質を事前の予測により、実際に塗装をせず、品質を判断できるという。ビッグデータは、200色以上の塗料に関する材料データ、3千件以上の試験パネルの外観評価、500万台以上になる生産車両の塗装品質データを収集し、スクリーニングをかけ品質に寄与する因子を特定している。こうしたデータからAIモデルを構築。このモデルの予測結果を仮想的な外観確認ができるシステムに入力し、試作パネルを作成せずに外観確認を可能にしている。
 
既に実際の車両開発プロジェクトに実装しており、効果として、開発期間の最大6割を短縮。試作パネル制作や実車試作コストの削減にも成功している。今後は、適用範囲の拡大、リアルタイム予測の実現を目指す。
 
ほかの講演では、自動車補修分野のDX、自動車塗装工程のシミュレーションの講演があった。塗装工程におけるシミュレーションは時間を要するものが多くなってきている。速度の向上やさまざまなツールを並行的に組み合わせる必要もあるとのこと。
 
シーメンスの講演ではそのシミュレーション(仮想試運転)により、20%のコスト削減、現場実装前に98%の完成度を実現することもできるという。
 
同講演会の座長は「可視化など塗装DXの核心はいくつかあるが、自社で試すなら最初の1歩にはどの工程・業務か、といった観点の気付きを与える場となった」と述べている。