日塗装塗装工事業者実態調査、完工高1兆円台を持続
日本塗装工業会(日塗装)は3月発行の日塗装誌において、2025年度の塗装工事業者実態調査をまとめ、発表した。会員2279社の完成工事総額(完工高)は1兆626億円となり、前年に続き1兆円台を維持。2011年以降続く回復基調は途切れることなく、勢いを保ったまま推移している。背景には、膨大な建築ストックを対象とした改修需要の拡大があり、新築に比べ改修の比重が高い構造が定着している。 塗装市場は規模の回復にとどまらず、改修中心の市場構造のもとで成長を続けている。
日塗装会員による完工高は、前年に続き1兆円台を確保し2025年度の完工高は前年度比105・8%で推移。会員数は前年から17社増にとどまるものの、市場規模は拡大している。さらに、1社当たりの完工高も約4億6600万円と前年度から約5%増加しており、施工量の増加に加え、資材価格や労務費の上昇を背景とした工事単価の上昇が押し上げ要因となっていると見られる。
長期的にみると、完工高は1996年の約1兆300億円をピークに減少へ転じ、リーマンショック後の2011年には7千億円規模まで落ち込んだ。その後は回復に転じ、コロナ禍で一時的に減少したものの再び増加基調を維持し、足元では1兆円台が定着。こうした回復を支えているのが改修需要である。
新築と塗り替えの内訳では、改修が7割前後を占める構造が続いており、建築ストックの増加を背景に維持・更新需要が安定的に発生している。国交省統計でも建築物の延床面積は増加傾向にあり、ストック型市場としての性格が一段と強まっている。
工事内容別では、建築分野が約5割を占める一方、土木・インフラ関連が1割強、その他設備・プラント等が残りを構成している。建築中心の構造は維持されているものの、橋梁や土木分野などインフラ領域が一定の比率を占めている点が特徴である。インフラの老朽化対策の進展を背景に、建築以外での施工機会も着実に広がっており、塗装工事業の役割はより多様化している。
一方で、戸建て住宅の塗り替え需要は減速傾向がみられ、市場構造にも変化の兆しがある。これまでのような自然増に依存した成長だけでなく、機能性を重視した顧客ニーズへの対応など、需要創出の取組みが今後の持続的な成長を左右する重要な要素となりそうだ。
