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アネスト岩田、新形スプレーガン発表会

アネスト岩田は、新型スプレーガン発表会および新設コーティングラボ内覧会を620日午後130分から神奈川県横浜市港北区新吉田町の同社本社で開かれた。今回、発表された新形スプレーガンは工業塗装用の「WIDER1」「WIDER2」の2タイプ。“WIDER”は1957年に登場の高性能大形スプレーガンに命名されたもの。広いパタン幅、さまざまな分野・市場に幅広く対応できる、製品が世界へ販売拡大・促進される願い、を込められている。1997年に21世紀型環境対応商品開発のため、WIDERが持つさまざまな想いを込めた“W”シリーズに移行。今回の新製品はさらなる飛躍を求めて、原点に立ち戻ったという。

展示された「WIDER1」

新製品は、エルゴミクスデザインを各所に取り入れたうえで、従来より5g軽量化。各種ツマミ類にテーパーを設けて溝を深くして、グリップ性を高め、微調整しやすくしている。また、ニードル弁ばね後方に樹脂パーツを組み込むことでスムーズな塗料調整を実現した。さらに、トリガーの先端形状をなだらかにすることで、少量塗布時の操作性を向上させた。
メンテナンスがしやすい設計であることも特長。キャップのネジピッチを1.0㎜から1.5㎜に変更したことで、従来の半分の約1回転半で締め込みができ、ニードル弁の後端部へは着脱が容易に行えるような形状とした。そして、空気および塗料ニップルにネジのないストレート部を設けたことで、ジョイントの簡単な取り付けを実現している。
パタン調節装置はリニアに反応するよう改良。従来は1回転で全パタン幅の約45%に達し、1.5回転で約80%、2回転でほぼ全開となっていたのを、新装置では1回転で約35%、1.5回転でも約50%、2回転で約70%と、より直感的に操作しやすくなっている。
空気弁シートセットにも改良の手が入っている。従来は、エア経路の開孔部の大きさが大と小の組み合わせになっていたため、ねじ込み時の位置関係により空気量に差が生じ、塗料噴出量やパタン幅に影響を与える可能性があった。新製品では構造を見直すことで、開孔部を大きく均一にすることで、ねじ込みによる個体差を少なくし、安定した塗装を実現している。価格は圧送式が19000円、重力・吸上式が18000円。81日から発売される。

「WIDER1」を試し吹きする来場者

なお、「’kiwami」シリーズはこうした「WIDER1」のスペックを承継し、単独ブランドとして独立し、低溶剤1液ベースコートやハイソリッドクリヤーなどの環境対応型塗料やカラークリヤー、マットクリヤーなど高難度塗色に特化したシリーズとなる。サイドカップ自動車補修スプレーガン「美粧シリーズ」は「’kiwami」シリーズに統合される。
発表会終了後は、新設コーティングラボ内覧会として、本社1階のショールームやヒストリールーム、敷地内にあるコーティング事業の研究開発施設「コーティングソリューションセンター」や、圧縮機の研究開発センター「エアエナジーコアテクノロジーセンター」を見学した。コーティングソリューションセンターでは、今回発表の「WIDER1」「WIDER2」の実機を展示。参加者は新型機を手に取って、操作感などの感触を確かめていた。また、センター内の塗装機器実験室では「WIDER1」を使用しての試し吹き体験も行われた。