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ヒバラコーポレーション、DXで準グランプリ

ヒバラコーポレーションは3月24日、経済産業省主催の「DXセレクション2025」(中堅・中小企業等のDX優良事例選定)で、工業塗装業界初となる準グランプリに選ばれた。同セレクションは、中堅・中小企業等のモデルケースとなるような優良事例を「DXセレクション」として顕彰し、選定された優良事例を公表することで、中堅・中小企業等におけるDXの推進を広げることを目的にしている。

「DXセレクション2025」の表彰を受けた小田倉久視社長=写真中央


 
ヒバラコーポレーションは、工業塗装における工場・社内のDX(社内DX)と、そのノウハウを製造業に向けに事業化したソリューション事業(事業DX)の両輪が評価された。また、職人の技の領域にテクノロジーを組み込んだ点も評価が高かった。
 
同社の社内DXでは既存の工業塗装を進化させ、生産管理や設備監視システム、シンナー配合条件アドバイザー等を自社開発。また、一般社員による点検管理台帳等のノンコードによるシステム開発や、社内SNSの社内共有を円滑化させ、DX化を進めてきた。
 
一方、外販を目的とするDX事業では、自社用に開発してきたシステムを製造業全般に展開。昨今では、工業塗装事業者には管理システムの受注が増えてきていると言う。また、別業界の製造業からは、AIを活用した稼働監視のテスト運用が進んでいる。
 
こうした高度の開発には、自社内のシステム開発者が担当。現在、5人が在席し、特に工場の機器・設備(アナログデータ)と、同社開発のソフトウェア(デジタルデータ)を繋げ合わせることを得意としている。
 
現在工業塗装向けでは、AI塗装面検査システムを開発中。今年10月を目途にリリースをしていきたい構えだ。小田倉久視社長は「正直、システムの採用は、一般の製造業での引き合いがこれまで多かった。AI利用も塗装業界より先に進んではいるものの、必ず塗装に応用できるという思いで開発を進めている」と話し、「工業塗装は、いま以上に人手不足が深刻化する。省人化は必須であり、その解決手段の一つとしてシステム開発を急いでいる」と、工業塗装の課題解決ソリューションであると強調する。

なお、ヒバラコーポレーションは5月14日から3日間、インテックス大阪で開催される「【関西】スマート工場EXPO」展にブース出展する。製造業向けDXソリューション等を出品する予定。