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【決算】ナトコ2022年10月期、売上高増も収益は減少

ナトコ(粕谷太一社長)は昨年12月13日、2022年10月期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比7・3%増の204億4500万円、営業利益は同17・3%減の16億7300万円、経常利益は同5・0%減の21億400万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同7・7%減の15億1400万円であった。
 
セグメント別の業績は、塗料事業は、金属用塗料分野では工作機械・特殊車向けに工程短縮および機能性粉体塗料の提案が採用されたことや、中国で水性塗料を中心に新規ユーザーの開拓が進んだことで、売上高は前年同期に比べ増加した。建材用塗料分野では、主力外装建材ユーザーの海外向けの商材が増えたことや内装建材向けの抗ウイルス塗料の拡販により、売上高は前年同期に比べ増加した。セグメント利益は、原材料価格の高騰や物流コストの上昇などの影響を受け、前年同期に比べ減少した。その結果、売上高は同3・3%増の122億500万円、セグメント利益は同28・2%減の9億8600万円となった。
 
ファインケミカル事業は、PC向けのコーティング剤の需要が減少したものの、スマートフォンのアクセサリー部材へのコーティング剤や光学フィルム向けのコーティング剤が底堅く推移し、モビリティ(自動車関連)向けのコーティング剤の需要が旺盛であったことにより、売上高は前年同期に比べ増加した。セグメント利益は、原材料価格の高騰や物流コストの上昇などの影響を受けたものの、高付加価値製品の販売が伸びたことで、前年同期に比べ増加した。その結果、売上高は同7・4%増の32億7600万円、セグメント利益は同26・5%増の11億7200万円となった。
 
シンナー事業は、新規ユーザーの獲得や新商材の販売の推進により、売上高は前年同期に比べ増加した。セグメント利益は、原材料価格などの高騰の影響を受け、前年同期に比べ減少した。その結果、売上高は同18・6%増の49億6300万円、セグメント利益は同32・7%減の2億4200万円となった。
 
2023年10月期の通期連結業績予想は、売上高は同4・7%増の214億円、利益面では、ナフサ価格の高騰や原料の供給不足による原材料価格の高値水準が継続する見込みの一方、売上高の増加により、営業利益は同6・4%増の17億8000万円、経常利益は同14・5%減の18億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同20・8%減の12億円を見込んでいる。