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たくみ工芸×環境開発技研 オゾン式塗装ブース水浄化装置

環境開発技研は、「オゾン式塗装ブース水浄化装置」を製造・販売している。同装置は、オゾンの酸化・分解・殺菌作用で腐敗菌を死滅させることで悪臭を撃退。さらに塗装スラッジに含まれる有機物を分解するため、スラッジが減容し、産廃費用を削減する等多くのメリットを持つ。実際に導入し、約1年半が経過する大阪府東大阪市衣摺のたくみ工芸に、その効果について話を聞いた。

右から井村有社長、井村亮専務、尾野宏樹事業部長

塗装ブースの課題解決 消臭で新工場イメージアップ

-貴社(たくみ工芸)の紹介をお願いします。
当社は「衣摺の模範であれ」の精神のもと、創業40年以上の経験と実績からなる技術を駆使し、さまざまなオーダーメード製品を手掛けています。HARDWARE、商環境事業部という事業展開で、店舗関連の装飾および陳列金物の製造、販売をメインに、店舗内装のデザイン設計から施工までをトータルプロデュースしています。また、オリジナルブランド『SeL』を立ち上げ、鉄やステンレスにこだわった製品も提供しています。

-現在抱える業務上の課題はありますか。
お客様からは小ロット、多品種のニーズが多く、その中でも特殊塗装についての相談が最も多いです。特殊塗装にはエイジング塗装などがありますが、模様を付けて錆びたように見せるなど、ただ塗って色を付けるだけでなく、塗装表現は無限の可能性があります。他塗装企業との差別化を図るためにも、与えられた納期の中でどこまでニーズに応えられるのか。新しい形を模索し提案し続ける事が当社の強みですが、同時に課題でもあります。

-「オゾン式塗装ブース水浄化装置」導入の背景についてお聞かせ下さい。
当社の塗装事業部、製作事業部、板金事業部が一つになり、ものづくり事業部として2022年6月に新工場『衣摺工場』が竣工しました。従来から塗装ブースの臭いが課題でしたが、場所が移転して目の前が小学校になったのをきっかけに、環境対応について本格的に話し合うようになりました。そんな矢先、環境開発技研様のDMが目に留まり、すぐに電話しました。

-きっかけはDMだったのですね。
その後、塗料・塗装設備展[大阪]に出展するとのことで展示ブースに伺い説明を受けました。説明だけでは半信半疑でしたが、実際に導入している工場が京都にあると聞き、見学に行かせてもらいました。塗装ブースが複数ある広い工場でしたが、入った瞬間すぐに「この工場、臭いがしない」と感じました。ブース水槽の水は茶色いのに、臭いがしないという驚きは今だに忘れられません。見学後、即座に導入を決定しました。実際に現場を見ていなかったら購入していない可能性もありました。

-決め手は何でしょうか。
導入実績と「もう一台入れようと思っている」という現場の生の声を聞くことができ、その効果が伝わりました。環境を整えることで学校や近隣にも認められる工場になりたいという思いも、決め手としてありました。

オゾン装置を使用する尾野事業部長


-環境面を考慮するにあたり、他に検討されたことはありましたか。
オゾン装置に出会う前は、臭いが消せるものだという認識がありませんでした。塗装工場に遠心分離機を入れダクトの中で何らかの力を使って、排気の際に臭いを無くすことはできないか等も考えました。

-導入前の環境についてお聞かせください。
風向きにもよりますが、特に夏場は四方に臭いがまわるような状況でした。今年は新入社員を5人採用しています。若い従業員が増えていくなかで、まずは3Kのイメージを払拭したいという思いがありました。

-導入後のメリットはいかがでしょうか。
導入後は、工場内はもちろん工場外での臭いも無くなりました。そのことで、近隣住民の方々にご迷惑をおかけすることもなくなりました。ブース水は、バキューム業者が「水を交換しましたか?」と驚くほど、透明に近くきれいになりました。また1年間スラッジを貯めたところ、導入前の2分の1程に減少しました。エルミネーターの水切り板に塗料が付かないので、清掃が楽になりました。

オゾン装置は、仕組みがシンプルで使いやすいと感じています。システムが複雑過ぎると手間がかかり、それだけで敬遠してしまいます。ボタン1つで誰でも使える、分かりやすい装置というのは最もメリットだと思います。

-他に評価できる点はありますか。
環境開発技研様は、フットワークが軽く、何か困ったことや疑問があるとすぐに対応してくれます。それが信頼感に繋がっていると思います。工場が新しくなり、他の工場に負けないほどのさまざまな設備が整いました。工場が生まれ変わったと同時に、3Kもなくすことでイメージアップに繋がっていると確信しています。今後はより一層、衣摺という地域や社会貢献にも従事していきたいと思います。

-ありがとうございました

オゾン装置について語る環境開発技研の木村智行社長(右)と井村有社長(左)