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“繋がる秘訣はこれ”事業承継セミナー大阪で開催

大阪府中小企業団体中央会主催の平成30年度第4回事業承継セミナー「気づきのバトンタッチ!~繋がる秘策はコレ!~」が、幸南食糧(大阪府松原市)の川西修会長と川西孝彦社長によりパネルディスカッションの形式で1016日午後2時から大阪市中央区本町橋のシティプラザ4階で開催された。(コーディネーターは産業情報化新聞社の竹原信夫代表)

塗料業界においては、塗料販売業の未来を考え、次世代へ塗料という商売をいかに円滑に引き継いでいくかが大きな課題となっている。このセミナーで展開された内容は、バトンタッチが非常にうまくいった事例として大いに参考になる。

川西会長の事業の歩みは、香川県出身で高校卒業後大阪に出て米の業界で修業。197225歳の時7坪の貸店舗で独立。1976年に米穀卸メーカーを設立。2011年に事業承継を行い取締役会長に就任し、現在は関連会社の仕事や講演活動に取り組んでいる。

向かって左が川西修会長、右が川西孝彦社長

 
川西会長は大阪府松原市で独立したが、注文取りに回っても馴染みの店から買っている家ばかりで成果が上がらなかった。それでもめげず若さで仕事を続けるうちに気づくことがあった。当時は夫婦共稼ぎの時代で奥さんも働きに出ていて留守の家が多かった。そこで日曜祭日も営業する。朝は6時から夜は12時まで配達する。エレベーターのないマンションでも指定時間に玄関まで届ける。他の米穀店のやらない方法で、着実にお客を増やしていった。

 貸店舗は大和川の近くにあったが、それは家賃は安かったからである。ところがある年、工場一帯が大雨のために大被害を被った。さらに数日後に追い打ちをかけるように再び大雨に見舞われ万事休すかと思われた。廃業を覚悟した時、15人の社員から「絶対会社を続けてくれ」と強く引き留められ、思いとどまり再起を果たした。災難をチャンスに変える貴重な経験だったという。

 次の災難は、売上げの3割を買ってもらっていた得意先からいきなり「取引を止める」と言い渡された時である。理由は社員がまともにあいさつもできない。仕事が乱暴だということだった。品物のクレームではなく社員に対するクレームだった。しかし川西会長は社員を責めることは一切しなかった。以後社員教育に力を入れ感謝を大切にする人づくりを実践した。

 経営理念は、「お客様の変化」や「時代の変化」をいち早く読み取り、先手・決断・実行することである。多くの経験から「人づくり」、「お客様の立場になって考える」、「規模の大きさより魅力の大きさを目指す“ちいさな一流企業”」にこだわり続ける。

幸南食糧、親子によるパネルディスカッション


川西社長は大学卒業後金融会社で勤務し、2006年に甲南食糧に入社した。まず現場を知ることからスタート。生産現場を知るため最前線で一生懸命働いた。2011年に事業承継を行い、社長に就任。近年国内の1人当たりの米の消費量は、良かったころに比べると半減している。そうした米離れ対策として、時代のニーズに合った贈答品「米匠庵」や2016年には電子レンジで温めて調理できるリゾットやお粥を発売。企画・アイディア商品の開発に努めた。

 また事業拡大を実行し、関東・西日本に拠点をつくり、海外進出にも挑戦している。時代の変化を先取りして大阪営業部はあべのハルカスに置いた。募集すると多くの人が集まり、中には外国人からの問い合わせもあった。東京は銀座に進出した。一等地に拠点を置くことで働く人がステータスを感じて働き効果は大きい。「会長は前向きなことは賛成してくれる」と川西社長は会長が背中を押してくれることが心強いと語る。

他の経営者に対するアドバイスとして「依存することは楽だが、それに頼っていると判断することができなくなる。私は常に自分で判断することを心掛けている」とアドバイスしている。