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菱熱工業、高耐性防滑塗床材を発売

冷熱プラント、食品プラントの機械・設備のコンサルティング・設計・製造・販売・設置を行う菱熱工業は、エービーシー商会と共同で、食品工場専用の防滑塗り床「MSRフロアー」を開発、発売した。

同製品は、水性硬質ウレタンのトップコートにセラミックを骨材として混ぜることで、水や油が付着した状態でも滑り抵抗係数1・0 以上という滑りにくさを実現。食品工場の加熱調理室などでの労災事故を未然に防ぐ効果があり、実際にこれまで実験導入した工場内で転倒事故が激減したという成果も示されている。

床材の滑りやすさには、いくつかの評価指標があるが、国土交通省や東京都などでは「床の滑り抵抗係数(C.S.R値)」を採用。日本建築学会では、靴を履いた状態で歩行する床材において、C.S.R値0・4 以上を推奨値としている。食品工場の防滑塗り床は、従来0・6~0・7程度であったが、MSRフロアーは耐久性を維持したまま、水・ダスト面1・12、油湿面1・10を実現した。

一方で、滑りやすさは滑り抵抗係数の絶対値以外にも、床面状態が生み出す「係数の差」にも左右される。つまり、表面が乾燥している時と油などで湿っている時の係数の差が少ないほど、一般的に滑りにくくなる。この点でもMSRフロアーは、乾燥面1・16、油湿面1・10と差がわずかで、床面の状態に左右されず、滑りにくい環境を維持することができる。

さらに、重量200~300㎏のカートが頻繁に通行しても、セラミック製の骨材は標準で使用される珪砂よりもはるかに摩耗しにくく、より長期間の使用に耐えられる。
 また、極めて高い防滑性能に加えて、黒ずみなどの汚れが付着しにくく、耐久性に富むといった特長もある。カラーはレッド、グリーン、イエロー、オレンジの4色。現在、同工法は特許申請中で、初年度は30 件の食品工場での導入を目指している。

施工期間は、既存の塗り床が水性硬質ウレタン樹脂系で、はがれやひび割れがなく、油などがしみ込んでいないケースで、上塗りだけの1日間で済み、施工後約10~12時間で歩行可能。下塗りが必要となる場合は、施工期間は2日間。施工費用は、上塗りのみで1㎡当たり1万5千円程度が目安になる。