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【決算】中国塗料、売上・利益とも伸長

中国塗料(伊達健士社長)は5月10日、2023年3月期連結決算を発表した。売上高は前年同期比18・0%増の994億8100万円、営業利益は同465・1%増の38億8700万円、経常利益は同329・8%増の43億5100万円、親会社株主に帰属する当期純利益は38億4800万円となった。
 
セグメント別の業績で日本は、船舶用塗料では新造船および修繕船向けがともに需要回復したことに加え、原材料価格高騰を受けて販売価格の見直しを行ったこと等により、売上高が大幅に増加した。工業用塗料でも主に重防食用塗料の販売が堅調に推移したことから、全体としては増収を確保した。その結果、売上高は同20・4%増の371億5300万円となった。損益面では販売価格の見直しを行ったものの主要原材料価格の高騰や円安となった為替影響による調達コストの上昇をカバーすることができず、セグメント損失は4億1800万円(前期はセグメント損失10億8600万円)となった。
 
中国は、船舶用塗料では新造船および修繕船向けがともに原材料価格高騰を受けて販売価格の見直しを行ったことや、円安となった為替の影響も加わり、売上高が増加したものの、工業用塗料において需要が低調に推移し、コンテナ用塗料においても価格競争の激化により低採算案件の受注抑制を行ったことから販売が落ち込み、売上高は同8・0%減の162億5900万円となった。損益面では、主要原材料価格の高騰に伴い調達コストが上昇したものの、販売価格の見直しや第3四半期以降新造船向けの採算が改善したこと等により、セグメント利益は3億4千万円(前期はセグメント損失6億2400万円)となった。
 
韓国は、船舶用塗料では造船所における工程遅延の発生により、主力の新造船向けの販売が低調に推移していたが、第4四半期に遅延が解消され、販売量が回復したことや、修繕船向けの販売が好調に推移したことから、売上高は同6・6%増の79億7600万円となった。損益面では、販売価格の見直しを行ったものの主要原材料価格の高騰に伴う調達コストの上昇をカバーすることができず、セグメント損失は1億3700万円(前期はセグメント損失6億8500万円)となった。
 
東南アジアは、修繕船向けを中心とした船舶用塗料や重防食塗料において原材料価格高騰を受けて、販売価格の見直しを行ったことや、円安となった為替の影響も加わり、売上高は同32・6%増の156億3600万円となった。損益面では、販売価格の見直し等により、セグメント利益は同34・6%増の21億7900万円となった。
 
欧州・米国では、船舶用塗料において堅調な需要が継続する中、原材料価格高騰を受けて販売価格の見直しを行ったことや高付加価値製品の拡販に注力したことで主に修繕船向けの販売が伸長したほか、円安となった為替影響もあり、売上高は同36・2%増の224億5600万円となった。損益面では、販売価格の見直し等により、セグメント利益は同142・2%増の6億6300万円となった。
 
2024年3月期の通期業績予想は、売上高が同5・5%増の1050億円、営業利益が同77・5%増の69億円、経常利益が同67・8%増の73億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同16・9%増の45億円を見込む。