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【決算】日本ペイントHD、利益面で一千億円台に

日本ペイントホールディングス(若月雄一郎社長、ウィー・シューキム社長)は11月14日、2023年12月期第3四半期連結決算を発表した。売上収益は前年同期比10・8%増の1兆858億7800万円、営業利益は同60・8%増の1316億2500万円、税引前利益は同59・5%増の1270億4200万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同70・8%増の934億4400万円となった。
 
セグメントの業績は、日本では自動車用塗料の売上収益は自動車生産台数が落ち込んだ前年からの反動増で前年同期を上回った。工業用塗料は市況の不振、汎用塗料は天候不順による工事遅延などの影響はあったものの、いずれも製品値上げの浸透により売上収益は前年同期並みとなった。この結果、売上収益は同9・1%増の1469億9900万円、営業利益は同189・8%増の124億9400万円であった。
 
NIPSEAでは自動車用塗料の売上収益は、中国でEV(電気自動車)市場が伸びる中で日系自動車メーカーを中心に自動車生産台数が伸び悩んだ。しかし、タイを含めたセグメント全体で自動車生産台数の回復が進んだ結果、前年同期を上回った。汎用塗料の売上収益は、中国において都市封鎖等の解除による経済活動正常化の進展や、既存住宅向け内装需要の堅調な推移に加え、シンガポール、マレーシア、インドネシア等で製品値上げが浸透した結果、前年同期を上回った。この結果、売上収益は同9・8%増の5918億4600万円、営業利益は同73・9%増の871億400万円となった。
 
DuluxGroupではDP JUB delniska druzba pooblascenka d.d.の業績が通年寄与。汎用塗料の売上収益については、金利上昇に伴う消費者需要の減少などの影響を受けるも、太平洋および欧州での製品値上げが浸透した結果、前年同期を上回った。塗料周辺事業の売上収益も、太平洋および欧州において各ブランドの製品値上げが浸透し、前年同期を上回った。この結果、売上収益は同15・0%増の2662億2700万円、営業利益は同21・8%増の283億1400万円であった。
 
米州では自動車用塗料の売上収益は、アメリカにおける自動車生産台数が落ち込んだ前年からの反動増に加え、堅調な需要が継続しており、前年同期を上回った。一方、汎用塗料の売上収益は、米国経済や住宅市場の低迷に加え、カリフォルニア州における天候不順の影響で、前年同期並みとなった。この結果、売上収益は同8・2%増の808億500万円、営業利益は、固定資産売却益を計上した前年同期からの反動減で同23・7%減の55億2900万円となった。
 
なお、2023年12月期の連結業績予想について、売上収益は同10・8%増の1兆4500億円、営業利益は同50・2%増の1680億円、税引前利益は同51・2%増の1580億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同44・8%増の1150億円と、いずれも上方修正した。