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日塗装、シンナー不足で要望提出

日本塗装工業会(加藤憲利会長)は4月14日、国土交通省に要望書を提出し、渋谷区鶯谷の塗装会館で午後2時から緊急記者会見を開いた。中東情勢の緊迫化に伴う原油・ナフサ供給不安を背景に、塗装現場ではシンナーをはじめ塗料や副資材の品薄と価格高騰が急速に進行している。政府は備蓄や代替調達による確保を示すが、現場との乖離が広がっている。このような状況を受け日塗装は、供給の安定化と実効性ある対応を強く求めている。

シンナー供給不安で国交省に要望書を提出する日塗装

要望書の内容を説明する加藤会長    

会見では、加藤会長が要望の柱として①シンナー・塗料および副資材の確実な供給確保②値上げに伴う価格変更と工期延長への配慮③資金繰り支援など事業継続支援④買い占めや便乗値上げなど不正取引への対応強化の4点を提示。特に現場で不可欠なシンナーの供給不安は深刻で、塗装工事そのものの停滞に直結するとの危機感を示した。
 
国交省との意見交換において日塗装は、供給停滞は塗料メーカーや販売段階(川中)ではなく、原材料段階(川上)で供給が滞っている可能性を指摘。経済産業省を含めた関係省庁との連携による原因究明と是正を求めた。
 
公開された同会会員アンケート(2306社中850社回答)によると、「影響がある」と答えたのは784社に達し、現場の逼迫した実態が浮き彫りとなった。
 
資材の入手状況では、塗料の約7割が「数量制限または入手困難」と回答。中でもシンナーは通常通り入手できる企業がわずか2・7%にとどまり、現場の生命線が揺らいでいる。さらに、さび止め塗料や防水材にも不足が波及している。
 
納期面でも影響は顕著で、シンナーの65%が「納期未定」とされ、工期遅延は避けられない。水性塗料への転換は進むものの、鋼橋などに不可欠な溶剤系塗料は代替が難しい。養生シートやテープなど副資材も樹脂原料不足で入手困難となっている。
 
価格面ではシンナーの高騰が際立ち、「1・5~2倍」が約5割、2倍以上も2割に達し、企業努力で吸収できる範囲を超えている。
 
今後も9割以上が「価格上昇」、8割以上が「工期遅延」を懸念。特に民間工事では価格転嫁や工期調整が進まず、資金繰りや給与支払いへの不安が広がっている。
 
こうした中、現場では資材の無駄削減を徹底し、洗浄用シンナーの再利用など極限の工夫を重ねている。さらに、洗浄工程を減らすため刷毛やローラーを使い捨てにするなど、コスト増と環境負荷の課題に直面するケースも見られる。
 
記者からは、供給停滞の要因や政府見解との乖離について質問が相次いだ。これに対し同会は、流通の目詰まりは川中ではなく川上にある可能性を指摘。政府の備蓄は十分との認識に対し、現場には行き渡っていない実態を改めて強調した。さらに、買い占めや前倒し発注により供給に偏りが生じ不足感が強まっているとし、過度な在庫確保の自制を呼びかけた。
 
業界では供給の正常化を最優先とする声が強い一方、事態収束後も価格が下がらない高止まりへの懸念や、不正取引の監視強化、適正な価格転嫁に向けた行政の関与を求める意見もある。早期の需給改善と実効性ある対応が求められている。