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第2回[関西]高機能塗料展③レポート・ギャラリー

2019.06.06

機器設備・関連資材

【好川産業】


好川産業では、橋梁向け水系塗膜剥離剤 「パントレ」(NETIS登録番号:KK‐160028―A)やアスベスト含有塗膜剥離剤「パントレAS」を展開。いずれもジクロロメタンを含まない。


また熱中症対策に有効なエアコン空調服「ACJエアコンジャケット」を参考出展。これは背中にエアコンユニットを取り付けた作業ジャケットで、体表面温度生理学に基づき、乾燥・冷却されたさわやかなエアを体内に送り込んで気化熱を奪い取る仕組みである。

 

【サメス・クレムリン/明治機械製作所】


サメス・クレムリンと明治機械製作所は共同出展し、塗着効率が改善できる各塗装ガンをPRした。サメス・クレムリンの「エアミックス」や静電マニュアルスプレーガン「ナノガン エアミックス」は、高塗着効率を発揮するガンであるが、販売・アフターフォローは明治機械製作所が担当している。また、人間工学に基づいた設計で反復運動過多による損傷の危険を低減する。デモ塗装も実施され、初めて手に取ったユーザーもハンドリング性の高い軽量のガンに驚いていた。

 

【テツタニ、ビックガードナー】

テツタニとビックガードナーは、色彩・蛍光性・光沢測定器「spectro2guide(スペクトロ2ガイド)」をメイン展示。色彩と光沢が同時に測定できるほか、推測蛍光減衰の⊿Ezeroも計測できる。


マルチアングル測色光輝感・粒子感測定器「BYK‐mac i(ビック‐マックi)」は単角度測色機では評価できなかったアルミ・パール顔料含有の塗装・印刷表面や加飾フィルムを6角度で測色して、光輝感や粒子感の測定が可能となっている。

 

【アイメックス】

分散機の新製品を発表したのがアイメックス。ナノ分散専用「Neo-アルファミル NAM-1は「さようなら、粗大粒子。」のキャッチフレーズでロングボディタイプ。


そのためショートパスを防ぎ、粉砕室内にビースの高密集積を発生させ品質の悪化を招く、“残留粗大粒子”を激減させる。また攪拌部際は突起物のない高寿命で、スケールアップ性も良好とのこと。

 

【石井産業】

木製より軽いスチール製パレットをアピールした。一斗缶専用パレットはスチールのフレームが一斗缶のずれを防止する。1段4×4(16個)の一斗缶を4~5段積むことが可能。ドラム缶専用パレットはリングがドラム缶のふちに引っかかり、ずれを防止する。1~4本のドラム缶を積載することができ、パレットごと燻蒸処理が可能。

 

【環境開発技研】

経費を削減できるブース水浄化装置を展示した環境開発技研。設備は消耗品を必要とせず、ランニングコストは電気代約2500円のみ。また、オゾンでブース水を殺菌・脱臭でき、作業環境改善で作業者のモチベーションを下げさせない。


オゾンは塗料、溶剤を水と炭酸ガスに分解できるので、スラッジも分解する。代理店を通じて海外販売も好調とのこと。

 

【サニー・トレーディング】

エア駆動ダブルダイアフラムポンプ、工業用ドラムポンプを展示した。ドラムポンプは世界安全基準UL規格、CSA規格、CE規格、AtEx規格をクリア。優れた耐久性と強度が特長。


エア駆動ダブルダイアフラムポンプ(金属製ポンプ)は、アルミ、PTFE合成アルミ、鋳鉄製ポンプがあり、安全設計、緊密堅牢な構造、高性能なダイアフラムが特長。

 

【三洋貿易】


三洋貿易では新製品としてタッチパネル型ハンディ動的表面張力計「BPT Mobile」を紹介。本製品はスタンドアローンタイプでPC不要であり、タッチパネル型で抜群の操作性を誇る。あわせて、最短表面寿命は10msとハイエンド型に迫る高機能を発揮する。


この他にも、促進耐候性試験機「QUV」など多彩な取扱い製品を出展していた。

 

【ダイイチコンポーネンツ】


ダイイチコンポーネンツの耐圧防爆ACサーボモータ「HG‐FX」シリーズは、有機溶剤等を使用する自動車塗装ラインやフィルム製造などの現場において、爆発性雰囲気のなかでも使用可能なモータとして、さまざまなバリエーションを出展した。塗装ラインも将来的には水性化への指向が強まるであろうが、当面は溶剤系の需要も多いとして、多くの用途での採用が見込まれている。

 

【田辺塗工所】


田辺塗工所では、泡と微生物を利用した高分解塗装ブース「バブルスクリーンブース」(特許取得済み)を紹介。同ブースは、泡により塗料ミストを捕集して、微生物により分解する画期的なシステムを持ち、ブツによる不良は1/4以下で、有機溶剤の暴露はほぼゼロ。あわせて、塗着効率は10~30%アップし、スラッジの粉末化、排水処理費用の軽減などの効果を発揮する。

 

【ナガセテクノエンジニアリング】

微粒子や凹凸面へのコーティングを実現した静電塗布装置「Micro Mist Coater」を中心に展示。特殊スプレーコーティング装置「PDR-04」を実機展示して、微粒子のコーティングに対応、液剤コスト削減、作業環境をクリーンに維持、高い膜厚均一性、凹凸基材へのコーティング対応と5つの特長をアピールした。

 

【橋本クロス】

汚れや水分の拭き取りなどに好適なワイピングクロスを展示した。


ミラクルワイパーは、地球にやさしい純粋コットンを100%使用。接着剤を一切使わず、水の力だけで綿繊維を絡めてシートを製造した。綿の繊維は中空構造になっており、汚れを中空部分に閉じ込める性質がある。拭き取り効果が高く、吸収力が高いという特長を有する。

 

【HEROLASER】

HEROLASERは、金属表面上の塗装除去や錆などの除去をレーザーで施工できる機器を展示。親会社は中国であるが、大阪岸和田市に日本拠点を設け、今後拡大を図る。


ドライ洗浄法のため、環境に優しく廃棄物の処理を必要としないという。鋼構造物用でなく工業塗装での用途を中心としており、1000万円から導入でき、手動からラインに組込み、自動運転も可能。

 

【丸文】

米国EXCELITAS社の空冷式UV LED硬化システムを紹介した。従来の水銀ランプに比べ、LEDによる硬化はランプ寿命が10倍以上と長持ちし、水銀ランプのようにオゾンが発生しない。OmniCure AC-HDシリーズは、より高いピーク放射照度と放射量で、高速効果が求められる接着剤、コーティング剤、インク等のアプリケーションに最適である。

 

【横浜油脂工業】

水系の塗装剥離剤を中心に剥離剤を紹介した横浜油脂工業。主に治具用剥離促進コート剤、硬化塗膜用剥離剤、未硬化塗料用剥離剤、新製品のUV塗料用洗浄剤をPRした。


これらの製品は水系の「ライフクリーン・ゼロクリーンシリーズ」として、高剥離性、環境対応、コスト削減の特徴を示す。環境対応として、低臭気で引火点なしの非危険物となる。

 

【リコーエレメックス】


リコーエレメックスでは「塗装・めっき外観検査装置」を出展。本製品は時間相関技術を活用したもので、イメージセンサーが光の強度を周期的に変化させ、塗装やめっき外観の検査を自動的に行う。これにより、ハジキ、タレ、ゴミブツを確実に検出できる。導入効果として、検査基準の定量値化や検査のムダ解消と省人化、検査データ活用による工程改善が期待できる。

塗装

【日建塗装工業】


日建塗装工業では、新製品として、離型セラミックコートの弱点を克服した「Biceram Ex」を紹介。高温でも削れて離型性能を保ち、離型性の減衰も穏やかである。 また、高温高耐久離型塗膜「GDコート」はフッ素樹脂と耐熱性樹脂を組み合わせて離型性と硬度を両立。溶けた樹脂が糸を引くことなく、きれいにはがせる。

塗料・コーティング

【クリスタルプロセス】


クリスタルプロセスの「無機質ガラス塗料」は、常温で硬化し、無機質ガラス被膜を表面に形成する。この被膜は経年劣化せず透明感を維持することができる。あわせて、防水性・防汚性・防錆性・作業性・耐候性などの高機能を有する。


この他にも、チョーキング防止機能も持つ「外壁用ガラスコーティング剤」や無機質素材でガラスを染める「透明カラーコート剤」も出展した。

 

【シミズ】


シミズでは、新製品として、複雑な形状品にも均一に塗装できる耐熱・高絶縁イミド系電着塗料を出展。耐熱温度は180℃に達する。エッジカバー性に優れ均一なコーティングが可能であり、表面硬度も固く、強固な膜が形成されるという。


期待できる効果としては、EV車等におけるコイル占有率を図るために必要な薄膜絶縁性と信頼性が挙げられる。

 

【日研工業所】

高付加価値コーティングを紹介した。誤飲防止コートは、誤飲を防ぐために苦味を施した塗膜である。塗膜層がある限りは苦みが持続するように持続性を高めた。フタル酸・ナフタレンフリーで安全性が高い。ハイメタルコートは、アルミ成分を主体としたメタル系メッキ調コートで、加工物のデザイン性を高め、美しい金属光沢と鏡面性が特長。

 

【野田スクリーン】


独自開発のフッ素樹脂を配合した、常温硬化型クリア塗料「耐汚染性クリア塗料(室温硬化型)」は、塗布後には水性汚れだけでなく油性汚れも簡単に拭き取れる。また、耐薬品性、耐酸・耐アルカリ性にも優れている。


耐薬品性に優れた熱硬化型クリア塗料「耐薬品性クリア塗料(熱硬化型)」も出展。フッ素配合で水・油も弾き、治具などの防汚に効果を発揮する。

 

【ワークス】
電気で光る塗料「ルミロール」を紹介した。電源を供給することで発光する。塗膜の厚さは0・1ミリメートルで4層コーティング。塗料なので曲面でも自由に対応。

また、素材を選ばずさまざまな用途に対応可能である。カラーバリエーションは8色。2018年度にアメリカから公式ライセンスを取得した。日本正規販売代理店取得。

 

 

原料

【インフィニティ】

溶剤に代替できる溶解力を持つ「ペイントソルブ―W」は、工業塗装における塗装治具の剥離洗浄として評価が高い。主成分はトウモロコシ由来の高分子アルコール成分やヤシ由来の界面活性成分などで構成。あらゆる溶剤系の洗浄剤に置き換わる製品であると自信をうかがわせる。なお、同社は昨年12月に東京開催の塗料展で初出展し、「反響が予想以上だった」とのこと。

 

【エス・アイ・シー】
顧客ニーズに対応したグラフェン製品を紹介した。グラフェン改良放熱塗料は、塗料成分にグラフェンが含まれており、熱伝導性・耐食性が大幅に向上。優れた絶縁性、防水性、腐食性を発揮する。グラフェン改良導電性塗料は、防腐食性と帯電防止性を大幅に向上させる。グラフェン改良重防食塗料は船舶用としてとして重防食、電磁波遮断の品質向上に寄与する。

 

【GSIクレオス】

 

低温乖離型ブロックイソシアネート「TRIXENE BI」、液状防錆剤「ASCONIUM」、メタル系カップリング剤「Chartwell」、マグネシウム系防錆顔料「Pigmentan」を展示。高い付加価値を持つ原料の提供をアピールした。


防錆顔料、防錆剤、硬化剤等特許技術を持つ世界のユニークな原料の輸入販売に加え、日本製原料の輸出販売も手がける。

 

【信越化学工業】
1953年、日本で初めてシリコーンを事業化。以来、高い技術開発力ときめ細かい対応で国内シェアトップを誇り、今日では5000を超える製品を世界マーケットに届けている。


今回の展示では、さまざまな機能を付与したコーティング材を中心にアピールした。

 

【住化エンバイロメンタルサイエンス】
抗菌、防カビ、消臭等の機能性添加剤。最近の問合せの中で、増えてきているのが「抗アレル物質」だという。住化エンバイロメンタルサイエンスはこうしたニーズに対応し「アレルセーブAJ」「アレルセーブZ‐80」を展開。アレルセーブAJは水系塗料、不織布などへ添加し効果を発揮。ダニ由来やスギ花粉由来などのアレル物質性を低減させる作用がある。

 

【日産化学】

 

「スターファイン」は、ジアヌル酸由来の塗料用添加剤。5%以下の添加で塗膜の金属基材に対する密着力を高め、錆による膨れを抑制する。


「ファインオキソコール」は、完全飽和型・多分岐型液状高級アルコール・液状高級脂肪酸。無色透明、低い凝固点で優れた熱安定性、耐酸化性を有する。
溶剤・機能性微粒子・密着付与製品を紹介した。

 

【フジケミ近畿・藤倉化成】


自動車部品向けのプラスチック加飾・保護用の「RECRACK」シリーズは1液塗料で2液と同等の耐薬品性を持つ「77M」や、低膜厚で高性能なピアノブラックが特徴の「5800FM」、を紹介していた。


この他にも、脱めっきの新しい選択肢「自己組織化メタリック塗料」やアンテナ用「超・低抵抗導電性ペースト」など多彩な製品が出展された。

 

業界団体

【日本塗装機械工業会】


日本塗装機械工業会(CEMA)は、塗装において今、AIやIoTの波に襲われ未来への展望に苦闘している中、塗装のハード面が担う役割から、“最新技術の追求、塗装機器・設備やシステムを提供し、塗装の高度化に貢献する”という指針に則り、ブースを展開した。


CEMAの強みとなっている大量生産の時代を乗り切ってきた経験から、前処理・塗料が一体となったソリューションでの解決をアピール。


近未来の塗装が求める、自動化、環境対応、コストの全てを満足するための総合的な活動となった。


ブースでは、工業塗装の最新技術等の紹介や来場者からの塗装・技術等に関する相談を受け、塗装ラインでの問題や要望、新設計画などについてCEMA技術スタッフが応対した。また、ホームページにおいても「電子図書館」として、「塗装FAQ」などを設け、質問に応対している。


併せて、CEMA会員各社のカタログ展示や、技術部会編集の『塗装用語辞典』も展示され好評を得ていた。

 

【日本塗料検査協会】


日本塗料検査協会の主要業務は塗料や塗膜の試験・検査で、各種規格試験だけでなく、塗膜の化学的・物理的性質や環境特性などに関する一般試験・検査を幅広く受託している。試験・検査を公正かつ精度よく実施するには、試験方法規格や評価基準などが必要であり、同協会はJIS規格やISO規格をはじめとする国内外の規格の標準化活動にも積極的に参画している。


こうした同協会の活動をより広く知ってもらうために、昨年12月の高機能塗料展に続いて、[関西]高機能塗料展にも出展。来場者からは第3者機関による公正で精度の良い試験・検査業務に関心が持たれたという。


特に注目されたのは、JIS K5603・JPMS29に対応した塗膜の熱性能試験機。遮熱塗料の遮熱性能を厳密測定できることが関心を集めた。


日本塗料工業会が昨年10月に「遮熱塗料(屋根用)自主管理」において商品の遮熱性能基準レベルの登録が開始されているが、このことが熱性能試験に注目が集まる要因とのことだ。

 

【日本塗料工業会】


日本塗料工業会は「塗料の役割」をテーマに展示。ブース受付では塗料・塗装に関する情報や日本塗料産業全般を解りやすくまとめた冊子『日本の塗料工業‘19』や『塗料用標準色2019年K販』を並べて、塗料産業の発展や暮らし・生活の向上に寄与する姿勢を示した。


ブース内では、パネル展示で「塗料の役割と効用」を解説。被塗物の保護において環境保全に役立ち、美観として建築物等を色で魅せることを主張した。


また、特別な機能として遮熱塗料にスポットを当て、模型により遮熱塗料を塗った家と一般塗料を塗った家とで、温度上昇の違いをデモ装置で解りやすく解説した。


併せて道路用遮熱塗料についても、同様なデモ装置を設置し、温度上昇の違いを理解してもらい、ヒートアイランド対策に有効であるとした。


他にも、ギターやオートバイのヘルメットに「光干渉型塗料」で彩色して展示。光輝材表面の反射光と内面からの反射光に「位相のズレ」により、見る角度によって色が変化する様子を来場者に伝えた。