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【関西】高機能塗料展レポート・ギャラリー

2018.05.16

塗装

【日建塗装工業】

各種ふっ素樹脂コーティングや各種機能樹脂塗装を手掛けている日建塗装工業。主力のPEEK樹脂コーティングは耐高温・高硬度被膜で、高い高度の塗膜は耐熱性が高く、滑り性や耐摩耗性にも優れている。機械工学やエネルギー生産、電子、自動車、建設・インフラといった各産業で利用されている。

【愛光通商】

愛光通商は金属板金素材に、防錆・絶縁・装飾用途で各種表面処理加工を行っている。特に、中国大連工場においては、約25年間にわたって液体PVCによる成型、ナイロン系およびポリエステル系粉体塗装、硫化ゴム製造を主体として、車両用クランプをはじめとする製品を月産2000万個も生産して、日本国内の車両メーカーに供給している。

ブース内では、自動車部品からフェンスまで各種塗装見本を展示し、新たな高機能素材との接点を求めている点を宣伝していた。

塗装/検査機器等・関連資材


 【菱光社】
菱光社は、製造装置から検査機器まで幅広い製品の販売を行っている。本展示会では各種製品を出展したが、なかでも、光学フィルムの延伸状態を評価して透明成型品の内部歪みを検出できる「WPA‐200‐L」は、最新電子機器のコーティングなどの計測に活躍するという。また、VOCガス検出器「MiniRAE3000」は、微量でも簡便・短時間に検出できることを実演。ポケットサイズの簡易型モニターとあわせて塗装ラインで活用できそうである。

【リコーエレメックス】
リコーエレメックスの「塗装・めっき外観検査装置」は、照射した光の微妙な変化を検出する時間相関技術により、これまで汎用の外観検査装置では困難であった塗装・めっき曲面の微細な凹凸の欠陥の検出を可能としている。数年前に発表された装置だが、IoT機能が追加された新バージョンが実演され、塗膜欠陥の類別集積などの機能がアピールされた。会場では自動車部品の塗膜検査工程が実演されており、塗料メーカーから関心が寄せられているとのこと。

【好川産業】

好川産業は剥離関連に注力し、メインは水系塗膜剥離材の「パントレ」である。鋼道路橋などの鉛等有害物を含んだ旧塗膜を安全に剥離でき、魚類急性毒性、生分解性とも高い数値を示し、周辺環境への影響がほとんどない。臭いも軽減されており、作業員への安全も確保。剥離力が強く、燃えないので環境にも優しい。

【ユニテクノロジー】

ユニテクノロジーは海外の検査機器などを扱う商社であり、今回は塗膜検査機器「ペイントチェッカー」を前面に出していた。本製品はレーザー光の照射により生じる熱で塗膜の厚さを計測する機器であり、今年3月に取り扱いを始めた新製品である。その計測精度には定評があり、欧米ではすでに高級自動車の塗膜検査ラインなどで導入されているという。ロボットへ搭載することができ、事前に複数の定点を設定すれば、車体全体の塗膜を迅速かつ正確に計測できるのが特徴となっている。

 【ナガセテクノエンジニアリング】

長瀬産業の子会社のナガセテクノエンジニアリングは静電塗布装置の「MICRO MIST COATER」などをPRした。同装置は静電気力を応用し精密なコーティングができるもの。液剤のコスト削減や幅広い粘度の液体への対応、高い精度での膜厚均一化、凹凸剤への塗布可能、ミストの微量化によるクリーンな環境などが特徴だ。「液剤や資材を送ってもらえれば、サンプルを作成する試作も可能」(担当者)とのこと。

【テツタニ、BYKガードナー】

テツタニとBYKガードナーは共同出展。メインの展示は「spectro 2 guide」で色彩測色計と蛍光性、光沢度計を組み合わせたオールインワンの測定器である。ハイパフォーマンスで総合的な色管理が可能ながら操作はシンプル。ディスプレーのライブビュー映像でピンポイントの測定ができる。

【ダイイチコンポーネンツ】

ダイイチコンポーネンツは各種の産業用モータを開発しているメーカーであるが、耐圧防爆ACサーボモータ「HG‐FX」シリーズは、有機溶剤等を使用する自動車塗装ラインやフィルム製造などの現場において、爆発性雰囲気のなかでも使用可能なモータシリーズとしてアピール。塗料供給のためのポンプなどの用途で安定した性能を発揮でき、すでに多くの塗装ラインや、関連する機器・設備のメカニズム内で採用されているという。

【シミズ】

電着塗料を中心に表面処理用薬品を開発・製造・販売しているシミズでは、「エレコート」シリーズを上市している。カラー電着塗装プロセス 「エレコート」、ポリイミド系電着塗料「エレコートPI」、電着フォトレジスト「エレコートEU‐XC」の各種製品ならびに塗装見本が展示され、複雑な形状にも均一な塗膜厚さでコーティングでき、塗膜厚さのコントロールが可能なことと、あわせて、水溶性の電着塗料で安全性と低VOCであることをアピールしていた。

【ウエキコーポレーション】

ウエキコーポレーションは、国際特許取得の塗装スラッジ処理システム「NCLフレッシュ・システム」を紹介。弱アルカリ電解水使用で、薬剤は不要。悪臭がまったくなくなり、スラッジの改修が容易、ブースの清掃も簡単とのことで、環境リスクを低減する。さらに「UV.TECH式塗装ブース」は、スクラバー構造で、「NCLフレッシュ・システム」の能力を100%引き出す。

【アサヒハケ】

アサヒハケでは、刷毛類ではなく各種塗装機器を展示した。ポイントとなるのは瞬間硬化性2液型の材料の吹付を行う専用機器「リアクター2 E―XP2」で実演も行った。高圧タイプで主にポリウレアやポリウレタンなどの吹付コーティングに使用する。用途は防水施工、コンクリートの基材保護、タンク・鋼管などの防食コーティングなど。

塗料・コーティング

【日本ペイントホールディングス・グループ】

日本ペイントホールディングス・グループでは、「貼る」「絶つ」「耐える」「癒す」「透る」「滑る」「進む」などのキーワードに沿った機能性製品を紹介した。注目は「遮る」の赤外線反射型透明塗料。金属薄膜・金属酸化物多層膜構造を持つ平板状粒子を開発し、各層の厚みを制御することで光学干渉を発現させ、金属粒子で可視光透過と赤外線反射の両立を可能にした。この金属粒子の塗料化にも成功し、光学特性が十分に得られる塗膜を実現。遮熱性やレーザー反射機能が期待できる。

【ナトコ】
ナトコは新意匠性製品と最新ラインアップでブースを構成。同社の登録商標である「自己治癒クリヤー」は、柔らかくすることでコーティングしたものを傷付けないことに成功したもので、自動車内装部品やスマートフォンの塗装に使用されている。塗料・塗装材を使用した高意匠や触感加飾などデザイン開発も紹介した。

【大丸興業、大日技研工業】

大丸興業と大日技研工業は共同で「ランデックスコート 難燃クリア」を紹介。高い透明性と高い難燃性を両立した水性難燃塗料である。居住空間などでの色合いや風合いを生かし、防汚染性や防カビ性効果を発揮する。既存の紙や木材に施工することで難燃性を付与し、火災による延焼を抑制できる。

【大阪ガスケミカル】

大阪ガスケミカルは、新製品の水性屋外木部用・高着色型木材保護塗料「キシラデコール アクアステージ」を展示した。高い着色力により、ウッドデッキや塗り替えに最適。さらなる耐久性を実現し、防腐・防カビ・防虫効果に優れる。6色のカラーバリエーション(ピニー、パリサンダ、ジェットブラック、カスタニ、ウォルナット、カラレス)。木材保護塗料塗り(WP)。JASS 18M‐307。木材保護塗料(かび抵抗性を含む)適合品。

塗料製造機器

【アシザワ・ファインテック、山本通産】

アシザワ・ファインテックは山本通産と共同出展した。注目製品は、昨年上市した高速回転メディアレス分散・乳化機「チータ」。個体混合から分散、乳化、脱泡、送液を1台でこなす。ミクロンレベルの分散・乳化が可能で、メディア由来のコンタミもない。最高68m/sで高速回転。大量循環も可能。担当者によると新製品であるが「徐々に導入も始まって認知されてきた」という。

原料・商社

【三菱ガス化学】

三菱ガス化学は、メタノール、キシレン類、及びその誘導体を製造販売しているが、展示会で提案したのが開発品の「キシレン樹脂誘導体」。これまでの違いは、反応性官能基を付与した新規材料にあること。UV硬化などによる硬化性を有する事から、更に幅広い用途への展開が期待され、今回の展示会で開発品を塗料メーカーに提案し、開発を進め製品化を検討するという。高伸び率で、内装塗料、接着剤の添加用途を想定している。

【富士シリシア化学】

富士シリシア化学は、導電性シリカ「BECSIA(ベクシア)」の開発品をPRした。同製品は既に塗料では艶消し剤、黒色着色剤として使用されているが既存製品だと一般的に黒の艶消しが白っぽくなることがあった。開発中のベクシアは黒さを際立たせ、白みを帯びるのを抑えている。一方、消臭改善剤のシリカでは「サイリシア732」を提案。臭気物質である「2‐ノネナール」、「ジアセチル」、「ペラルゴン酸」を吸着することで、臭気を抑制。生活臭、加齢臭などに吸着する。

【野田スクリーン】

野田スクリーンの化成品事業部は、主にフッ素化成品を中心として事業展開を行っている。会場では、各種クリア塗装をパネル展示。特に、開発中の「高耐熱高耐候のフッ素樹脂添加剤」は、各種塗料に手軽に撥水撥油機能を付与して、防汚性・防錆性を向上させられるという。あわせて、「Shields」シリーズの「耐サンスクリーン性熱硬化型クリア塗料」や「耐薬品性熱硬化型クリア塗料」「常温硬化型クリア」といった既存の製品の紹介も行っていた。

【東振化学、共栄社化学、クニミネ工業】


東振化学は共栄社化学、クニミネ工業と共同出展。化学専門商社として化粧品、塗料、インキ、農薬、フィルムなどの幅広い分野で他社と差別化できる機能性材料の提案と技術サポートを展開するなか、特に基材湿潤・レベリング剤「LEシリーズ」をアピールした。同シリーズは、フッ素含有アクリルポリマーで、低表面張力基材への濡れ性やハジキを改善し、高速塗装(スピン・スプレー等)に最適である。

【DSP五協フード&ケミカル】

DSP五協フード&ケミカルでは、水系、溶剤系のレオロジーコントロール剤や消泡剤、表面改質剤といった塗料用添加剤を中心に展示していた。 同社が販売するAshland社の粘度調整剤「Natrosol(ヒドロキシエチルセルロース)」の特徴は、グレードが幅広いことにある。グレードは、9種類あり、分子量9万~130万のカテゴリーと多様だ。3大陸で生産しており、50年以上にわたり塗料メーカーの信頼を得ているとのこと。

【信越化学工業】

信越化学工業は同社の塗料など向け主力製品のコーティング用シリコーンほかをブース全面を使い紹介した。樹脂そのものとして使うシリコーン樹脂材料のほか、アクリル、ウレタン、エポキシの各樹脂を改質してシリコーンの特性を付与する樹脂ハイブリッド化材料や、添加剤として塗膜の表面状態を改質する塗膜表面改質剤もPR。フィラーの表面を改質しコーティング剤の性能を改善する顔料・フィラー表面処理剤なども。

【GSIクレオス】

GSIクレオスは、工業製品分野において、ビジネスパートナーとともに新たな価値創造の仕組みを構築するユニークな〝事業創造型商社〟として、架橋剤・機能性添加剤・防錆剤・コーティング樹脂を展示・紹介した。なかでもランクセス社の架橋剤・ブロックイソシアネート「TRIXENE BI」は、DMP(ジメチルピラゾール)をブロック剤に採用した低温解離型ボロックイソシアネートで、110~120℃で解離する特徴をもち、1液としての安定性に優れる。