三菱ケミカル、「高機能素材WEEK 大阪」レポート_サスマ展【大阪】
RX Japanは、5月14日から16日まで、大阪市住之江区のインテックス大阪において「サステナブルマテリアル展 大阪」を開催した。ここでは、編集部が注目したブースを紹介する。
BENEBiOL™(ベネビオール™)、バイオマス材料の採用が拡大

三菱ケミカルグループの出展ブース
三菱ケミカルは、植物由来原料「BENEBiOL™(ベネビオール™)」を出展。サステナブルマテリアル展の趣旨に呼応し、環境対応型素材の可能性を広く訴求した。ベネビオールとして、同展4回目の出展。今回も初日から多くの来場者で賑わい「環境に配慮した製品に対する関心の高まりを、年を追うごとに実感している」と担当者は語る。
ベネビオール™は、同社独自の製法で開発された植物由来原料で、主にウレタン塗料、ポリウレタンエラストマー、人工・合成皮革などのポリウレタン樹脂の原料として使用されている。植物由来でありながら、従来の石油由来品に劣らない性能を有することが特長である。植物由来は、素材としては〝弱い〟というこれまでの先入観を覆し、長寿命設計によって製品の使用期間を延ばし、最終的な廃棄物削減にも貢献する。

「BENEBiOL™(ベネビオール™)」の製品特性
バイオウレタン製品を伴走型支援で開発

各用途で採用が広がっている製品採用例
ウレタンは塗料をはじめ、接着剤、人工・合成皮革など多用途で使用されており、「幅広い業種でバイオマス材料を求める声が高まっている」と話す。実際、会期中には塗料だけでなく、電子材料、自動車、アパレル関連などの業種からも問い合わせが寄せられ、認知の拡大に繋がったとのこと。現在は原料メーカーとして、製品化を目指す企業への技術的支援も強化している。
来場者からは「バイオウレタン製品を作りたいが、どう取り組めばよいか分からない」という声も多く、そうした企業とともに開発を進める伴走型支援を目指しているという。同社では「今後も展示会を通じて、まずはベネビオール™という存在を知ってもらうことが重要だと考えている。毎年の出展で徐々に成果が見え始めており、今後も認知拡大と導入促進を図りたい」と、展示会での手応えと目指す方向性について述べた。