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塗料販売・建築塗装管理ソフトの最新動向

中小企業の課題の一つである生産性向上。新型コロナウイルスが感染拡大する前より、デジタル化への移行が進められてきた。しかし、コロナ禍において、デジタル化は仕事の核心となる業務の見直しや新プロジェクトの創造を目的としたDX(デジタルトランスフォーメーション)とその意味が拡張した。ITシステムの更新から企業文化刷新の問題へと、1段も2段も高い概念の共有化が広がり、企業経営の革新が求められた。業務改善のモニタリングにもなり、IT導入の補助金を得られる可能性があるのが「IT導入補助金」。概要と業界DXに向けて各サービスを紹介する。
 
DX推進には、現在の課題を洗い出し、その課題に対し優先順位を付け、どのような技術(テクノロジー)を使い、成果を得られるかという非定型的な業務が必要となる。IT導入補助金の採択・交付決定後には、実施報告、経過報告書などの提出を求められるため、効果測定も同時に組み込む必要がある。同補助金の審査内容のポイントとして、「自社の課題把握」「ITツールの導入後の効果」「計画目標値」などを審査しており、業務の見える化にもつながる。同補助金事業は、経済産業省が実施。業務効率化、経営力向上を目的に中小企業・小規模事業者のITツール導入費用(最大450万円)を支給する制度である。なお、2021年度の特徴としては新型コロナウイルス対策を視野に入れた特別枠「低感染リスク型ビジネス枠」が新設されている(5類の枠がある)。

昨年は計10回の申請回数があった。今年は、去年より少ない公募の可能性がある。直近の締切日は、7月30日と9月中(詳しい内容、未公表)となる。同補助金の内容を一から進めていくとなると、今から準備して9月に間に合わせていくというのが現実的だろう。同補助金の特別サイトなどで、概要を調べた上で、申請手続きは「IT導入支援事業者」と進めることになる。支援事業者はツール情報の提供や、申請・報告に必要な情報、導入実績その他、導入後のサポート・アフターフォローなどが役割となる。支援者選定に既に導入ツールの検討があれば、ベンダーへ相談するのもよい。

これまの採択率を見ると、2019年度は約33%、2020年度は42%。5割を割り込むが、2020年の実績を詳しく見ると1回目から7回目までは、50%の採択率であった。その後、採択率は低くなっていった。そのため、年度の早めに申し込むのが有利との見方もとれる。

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Paintnote、塗料販売店特化受発注システム 

「Paintnote EDI」は塗料販売店特化のクラウド型受発注システムだ。上市から約5カ月で導入店舗数が200店舗を超え、IT導入補助金も活用可能である。近年のIT化の時流に乗り、ECサイト開設やWeb発注対応商社の増加など、塗料業界でも発注のデジタル化がじわじわと進んでいる。遅かれ早かれデジタルでの発注が主流になる未来に備え、今のうちから備えておきたいニーズがある一方、そのためには数百~数千万円単位の初期システム投資と運用体制構築のコストが必要となる。

そこでPaintnoteは「Paintnote EDI」を通じ、塗料販売店の受発注のデジタル化を支援する。クラウド型であるが故に低価格で利用でき、最低月額5000円からの利用が可能だ。また、各社に対して行ってきたサポートのノウハウが同社に蓄積しており、導入時・運用時において徹底したサポートを展開する。

「受注処理に時間がかかる」「何度も同じ商品情報を手書き入力する」「営業と事務で知識レベルに差があり、口頭では適切に受注情報が伝わらない」といった課題を「『Paintnote EDI』で解決し、業務の生産性向上を共に実現していきましょう」と同社の藤井社長は話す。



℡03・4361・9145

日本データコントロール、場所を選ばずサービス利用が可能

ソフトウェア開発会社の日本データコントロールは、塗料販売店向けクラウド型サービス『さらっと販売管理』を好評販売している。同製品は「IT導入補助金」のITツールに登録しており、補助金を利用することができ、実際に採択された実績がある。

クラウド型サービスを採用しているため、インターネット環境があればパソコンや場所を選ばず利用可能。タブレット端末からも利用でき、例えば配達先での売上確認など、場所を選ばずサービスを利用できるため、業務の効率化を図ることができる。また、システムの更新はデータセンターで対応するので、バージョンアップもソフトを再購入する必要もない。

営業所間の連携も容易かつ安価に実現できる。同製品を利用している塗料店からは「これまでは営業所間の連携のために高額な通信回線を利用していたが、『さらっと販売管理』の導入で維持費が格段に安くなった」と好評を得ている。

価格は初期費用なし。標準機能で月額使用料金8千円。標準機能に加えて仕入、支払、買掛金管理・在庫機能が利用できる追加機能で月額使用料金1万2千円。お試し版の利用、サービスの詳細の問い合わせは下記専用ダイヤルまで。

℡06・6267・2257

ニューマネジメントシステム、クラウド型が急増 テレワーク要望に対応

塗料販売店に特化した専用システム開発を行うニューマネジメントシステムは、IT導入補助金の支援事業者に5年連続で認定されている。業界特有の商慣習に対応する「スーパー塗料」は、採用400拠点と働き方が問われる今、好評を博す。

現在問合せが増えているのが、テレワークへの対応だ。同社では、クラウド型サービスの導入が既に100社を突破。コロナ禍のテレワーク推進の影響もあり、クラウド型が圧倒的に多い。また、クラウド型のメリットとなるのが、BCPの備えであろう。近年頻発している地震や大型台風等の大規模な自然災害によるデータ消失のリスクを軽減させる。BCPの観点からも事業の早期復旧につながる。

なお、現在バージョンアップ中の機能として、より使いやすさを求めた【価格改定システム】がある。「仕入価格の改定に即して複数ある売上価格をスムーズに設定」できるように対応を予定。また、受注業務の大幅効率化のため、得意先がスマホやパソコンからログインして発注できる機能開発も進めている。

担当者は「これまでもユーザーの声を拾い上げ、バージョンを上げてきた。テレワーク等の働き方改革・業務運用のデジタル化が進む中で、より一層サポート力を高め、塗料販売店様に貢献していく」と述べ、システムの側面から、塗料販売業のDX化を推し進める。

℡03・3881・1703