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BTX2022年需要実績、1千万トン割り低水準

日本芳香族工業会(大谷星郎会長)は3月8日、ベンゼン(B)、トルエン(T)、キシレン(X)の2022年需要実績と2023年需要見通しを発表した。
 
2021年実績のコロナ禍からの回復より一転、同工業会会員ベースのBTX需要合計は前年比7%減の944万2千トンとなり、1千万トンを割り込んだ。減少要因は、中国需要の落ち込みに加え、供給において中国の新増設の影響を受けた。ベンゼン需要部門のスチレンモノマーは、国内の低迷に加え中国の新増設により前年比21%減と大きく落ち込んだ。2023年においても中国の増設計画がある。一方で、輸出は国内需要が減少した分、輸出に回され47%増と伸びた。主に米国向けとなる。
 
トルエン、キシレンは、ベンゼンほど減少せず、それぞれ前年比5%減の143万7千トン、同4%減の485万1千トンであった。トルエンの溶剤は、塗料・インクが微減であるが安定した需要を示した。「その他」が40万4千トンと、多くの数量を占めている。主にガソリン向けとなる。
 
2023年も中国の増設は続くとされており、全体の見通しも2022年並みとしている。増設が落ち着く2024年以降は、「2~3%の成長を期待」(同工業会)としており、2027年見通しの需要合計を995万トンまで回復すると予測した。