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中村塗装店、クロムフリー処理技術を導入

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クロムフリー系化成皮膜処理では、塗膜の付着性を確保するために十分な配慮が必要。そのためには、徹底した品質管理が求められる。まず、化成皮膜処理のエッチング工程は、クロムフリー系化成皮膜処理の品質を安定させる重要な部分であり、アルミ素地表面の清浄化と活性化が非常に重要となる。ここでもCBの酸性エッチング用薬剤「B‐21bL」を使用。QUALICOAT(クオリコート:アルミ塗装建材の認証規格)のエッチング条件の内「SEASIDE(湾岸地帯向け)」仕様を満たす処理が行われている。合わせて、精密電子天秤でアルミの減耗量を日常管理としてチェックしている。

続いてクロムフリー系化成皮膜処理では、適正な皮膜塗着量を管理できているか確認することが必須となる。そのため、日常管理として被塗物と同時処理の代用試験板で、ポータブルタイプの蛍光X線分析装置で、皮膜主成分のジルコニウムのX線強度から化成皮膜の付着量を定量的に測定し管理している。CBはここでも、低価格で必要な性能を満たすポータブルタイプの蛍光X線分析装置を紹介。さらに、機器ごとにCBのラボでの実験結果との整合性をとるための補正と、実験によって得た成分量と皮膜付着量の換算パラメーターを提供して、確実な検査ができるよう支援を行っている。そのうえで同工場では、測定された計測値を継続的に記録し、また試験板の一定期間保管を行って、前処理で適正な皮膜が施されたことの証明としている。

ここまで徹底した管理をして前処理工程のクロムフリー化を図る理由について、工場長の戸村英世氏は「欧州では2017年9月から、REACH規制によりEU圏内では6価クロムの使用と持ち込みが、一部例外を除き禁止となります。この流れは日本にも波及して、クロムフリー前処理の建材への需要が高まるでしょう。先陣を切ってクロムフリー工程の導入を行えば、それに見合った成果が上げられると考えております」と述べている。

現在、クロムフリー系化成皮膜処理における塗膜付着性試験は4,000時間に近づいており、現場で使うような形材でのテストも間もなく始まり、年内にはこの工程についての営業活動を開始する。

同社ではクロムフリーでの建材塗装発注に対して、CBの全面バックアップのもとで対応できる体制が整いつつある。

『塗料報知』2015年10月7日号(4118号)掲載

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