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アクゾノーベル、日ペHD等の買収拒否

アクゾノーベル(オランダ)は5月27日、アクサルタ・コーティング・システムズ(米国)との間で進めている対等合併の計画を詳述した、米証券取引委員会(SEC)への提出書類「フォームF‐4」を近く公開すると発表した。これに合わせ同社は、日本ペイントホールディングス(以下、日本ペイントHD)およびシャーウィン・ウィリアムズ(米国)から共同で提案されていた現金による買収提案を、5月1日時点で拒否していたことを明らかにした。      
     
日本ペイントHDとシャーウィン・ウィリアムズによる共同事業体(コンソーシアム)は4月29日、アクゾノーベルの全株式を1株あたり73ユーロの現金で買い取る提案を行った。アクゾノーベルの全発行済み株式数(2026年3月末時点で1億7130万株)から換算すると、総額125億490万ユーロ(約2・1兆円)規模の大型提案だった。
 
買収完了後は、日本ペイントHDが建築用塗料や工業用コーティング事業を保有し、自動車補修用や船舶用、粉体塗料事業などはシャーウィン・ウィリアムズへ売却・分割される提案だった。日本ペイントグループにとっては、アクゾノーベルの建築用塗料事業を取得することでポートフォリオをさらに強化し、既存ブランドのグローバルレベルでの再統合を進め、主要市場における国際的な成長を加速させる狙いがあった。今回の共同提案は、4月16日に提出し拒絶された初期提案に続く2度目のアプローチであった。
 
買収提案の背景には、2025年11月18日に公表されたアクゾノーベルとアクサルタの対等合併計画がある。コンソーシアム側は、この合併がアクゾノーベルの単独戦略に代わる選択肢として示されたことを受け、既存の合併契約の条件を踏まえながら、アクゾノーベルとのあり方についてあらゆる選択肢を模索・検討していた模様だ。
 
しかし、アクゾノーベルの経営取締役会および監査役会は、財務・法務アドバイザーを交えて同提案を検討した結果、アクサルタとの合併によってもたらされる長期的な成長見通しや企業価値が「低く見積もられている」と判断。さらに、規制当局の承認や2社への事業分割に関する確実性の低さ、ステークホルダーの利益保護が不十分である点などを挙げ、アクサルタとの合併契約における「有効な提案」には該当しないと結論付け、提案を拒絶した。アクゾノーベルは、アクサルタとの「対等合併」が最も高い戦略的シナジーを生むとして、両取締役会ともに一致してアクサルタとの統合を推進していく姿勢を改めて強調している。
 
その後、6月3日に日本ペイントHDとシャーウィン・ウィリアムズは、アクゾノーベル社の共同買収に向けた取組みの終了を決定したと、発表している。2度の提案拒否を受けたことを理由にしている。