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【決算】コニシ 3月期連結、売上・利益とも増加

コニシ(大山啓一社長)は4月28日、2022年3月期連結決算を発表した。売上高は前年同期比5・5%増の1136億7100万円、営業利益は同3・1%増の72億9800万円、経常利益は同5・4%増の78億2200万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同4・1%増の51億3500万円であった。

同社では「ボンド」、「土木建設」、「化成品」を事業セグメントとしていたが、土木建設分野に使用される接着剤・補修材・シーリング材の事業を「土木建設」から「ボンド」に移管し、事業セグメントを「ボンド」、「化成品」、「工事事業」として再編した。これは、2012年4月から社会インフラ、建築ストック市場の補修・改修・補強などの工事請負事業を、より一層強化するために経営体制の変更を行ったことによるもの。セグメントの概況は次の通り。

ボンドは、一般家庭用分野では昨年の巣ごもり特需による反動減もあり売上は減少。住関連分野では、新設住宅着工戸数の回復に伴い、内装工事用や内装建材用接着剤の売上が増加した。産業資材分野でも、紙関連用途向けの水性接着剤や自動車・電子部品等に使用される弾性接着剤などが好調に推移し売上は増加した。また土木建築分野でも、土木、建築補修用に使用する材料や建築用シーリング材の売上が増加するなど売上は全体的に回復し、好調に推移した。一方、接着剤やシーリング材に使用される原材料の価格が第3四半期以降大きく高騰し、製品価格改定は実施しているものの、利益は減少となった。この結果、売上高は同9・1%増の636億1300万円、営業利益は同5・0%減の46億600万円となった。

化成品は、化学工業分野ではエタノール関連商材の売上が昨年の特需による反動で減少したものの、樹脂原料の販売は好調に推移し、売上は大きく増加した。自動車分野では、車載電子部品に使用される商材の売上が大きく増加。電子電機分野での放熱封止材用の商材や、塗料分野での商材も、売上は増加した。丸安産業は、半導体製造に使用される商材およびコンデンサ用商材が好調に推移したことにより、売上は大きく増加した。この結果、売上高は同13・1%増の318億4400万円、営業利益は同57・8%増の9億8900万円となった。

工事事業は、昨期に大型工事案件があったため売上は減少したものの計画通りに推移した。公共事業を中心としたインフラおよびストック市場の補修・改修・補強工事の受注は好調に推移した。この結果、売上高は同14・4%減の180億2千万円、営業利益は同19・1%増の16億7400万円となった。

その他は、不動産賃貸業等で、売上高は同23・5%減の1億9300万円、営業利益は同91・0%減)の1700万円となった。

2023年3月期の通期業績予想では、売上高は同7・3%増の1220億円、営業利益は同4・8%減の69億5千万円、経常利益は同7・3%減の72億5千万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同86・9%増の96億円を見込んでいる。