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【決算】大日本塗料、2桁の利益増に

大日本塗料(里隆幸社長)は5月11日、2023年3月期連結決算を発表した。売上高は前年同期比8・8%増の728億4900万円、営業利益は同24・0%増の39億4600万円、経常利益は同24・6%増の43億1600万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同70・2%増の34億5800万円となった。
 
セグメント別の業績では、国内塗料事業は、一般用分野では構造物用塗料の市況が堅調に推移。一方、工業用分野では建材用塗料を中心に需要が減少した。売上高は、原材料価格上昇に対する価格是正により、同7・3%増の532億5千万円。営業利益では、生産効率化および原材料や塗料配合の見直し等のコスト低減策で同0・2%減の19億8600万円であった。
 
海外塗料事業は、東南アジア地域では、タイにおいて半導体等の部材不足の影響で自動車部品用塗料の需要が低調。一方、シンガポールおよびマレーシアでは建材用塗料や焼付用塗料の需要が増加した。北中米地域では、主要顧客の生産減少を受け自動車部品用塗料の需要が減少。中国では、焼付用塗料の需要が増加した一方で、ゼロコロナ政策による影響を受け自動車部品用塗料の需要が減少した。売上高は、円安による為替換算の影響で、同16・2%増の80億6600万円。営業利益では、原材料価格の上昇およびタイ、メキシコにおける需要減少に加え、中国事業における在庫評価損の計上により、同13・8%減の2億300万円となった。
 
照明機器事業は、業務用LED照明分野では、商業施設向けや建築向けの需要が回復した。さらに、原材料価格上昇に対する価格是正で、売上高は同11・8%増の85億5700万円。営業利益では、売上増加のほか経費の抑制により、同122・8%増の12億8500万円であった。
 
蛍光色材事業は、加工品分野では、安全対策用途の市場開拓や各種イベント類の再開により需要が回復。一方、顔料分野では国内外の市況が低迷し、売上高は同5・7%減の11億5400万円。営業利益では、付加価値の高い加工品分野の売上増加や経費削減により、同52・7%増の7100万円となった。
 
その他事業は、物流事業が取扱量の減少により運送売上が前期より減少。塗装工事業は、主に首都圏における需要が回復して売上が増加した。この結果、売上高は同20・8%増の18億2千万円、営業利益は同39・1%増の1億5900万円であった。
 
2024年3月期の通期業績予想は、売上高は同3・0%増の750億円、営業利益は同26・7%増の50億円、経常利益は同20・5%増の52億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同1・7%減の34億円を見込む。
 
同社では現在、次期中期経営計画を策定中である。10年後の生き残りをかけて、ゼロベースでビジネスモデルの再構築を進めるとしている。