【決算】大日本塗料、売上高が大きく伸長
大日本塗料(里隆幸社長)は5月13日、2026年3月期決算を発表した。売上高は前年同期比29・3%増の937億5900万円、営業利益は同18・3%減の38億5400万円、経常利益は同13・8%減の44億7900万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同82・1%減の16億8800万円となった。
売上高は、国内塗料事業および海外塗料事業における販売が低調に推移するなか、前期に連結子会社となった神東塗料グループの損益を当期より連結に含めたことにより、前期を大きく上回った。一方で、連結化による利益面への寄与は国内、海外ともに限定的であるほか、販売の伸び悩みによる収益性の低下や人件費等を中心とした経費増加の影響が大きく、営業利益および経常利益は前期を下回った。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に計上した負ののれん発生益の剥落に加えて、近年低迷が続く中国事業の構造改革として実行した中国製造子会社の持分譲渡契約締結により関係会社整理損を計上した結果、前期を大きく下回った。なお、中国子会社の連結除外は2027年3月期中間期を予定しており、以降、中国事業における営業赤字は解消する見通しである。
セグメントごとの経営成績は、国内塗料事業の売上高は同41・1%増の718億7千万円、営業利益は同37・4%減の12億3100万円であった。一般用分野は、2025年11月にJISマーク表示の一時停止処分が解除されたものの、期中においては販売の本格的な回復には至らず、売上高は前期を下回った。工業用分野は、自動車部品用途や各種建材用途などの一部市況が低調に推移し、売上高は前期を下回った。インク・分散技術関連は、期末にかけて主要顧客の在庫調整の影響を受けたほか、新規顧客の獲得に遅れが生じ、売上高は前期を下回った。
当セグメント全体の売上高は、神東塗料グループの連結化により前期を大きく上回った。営業利益は、製品ミックスの改善や価格是正に継続して取り組んだものの、販売の伸び悩みによる収益性の低下に加え、人材確保・育成に向けた人件費の増加により、前期を下回った。
海外塗料事業の売上高は同5・6%増の85億9千万円、営業利益は同54・1%増の3億6800万円となった。東南アジアでは、タイを中心に日系自動車メーカーの生産低迷に伴う需要減少が継続したが、神東塗料グループの連結化により、売上高は前期を上回った。メキシコでは、低採算品の販売抑制や主要顧客における在庫調整の影響を受け、中国では、各種工業用途における需要の減少により、いずれも売上高は前期を下回った。営業利益は、東南アジアおよびメキシコにおいて販売が低迷したものの、中国におけるコスト抑制により、前期を上回った。
照明機器事業の売上高は同0・1%増の104億2400万円、営業利益は同6・6%減の19億2800万円となった。LED照明分野は、UVランプ分野における特定顧客向けの需要減少や蛍光灯分野の市場縮小等の影響が見られた。しかし、LED照明分野の伸長がこれらを補い、当セグメント全体の売上高は前期をわずかに上回った。営業利益は、前期に実施した本社移転に伴う減価償却費の増加や人材確保・育成のための人件費の増加が影響し、前期を下回った。
蛍光色材事業の売上高は同6・1%減の10億8800万円、営業利益は同8・5%増の6400万円となった。顔料分野は、EU地域等における海外向け需要の回復や文具向けへの新規採用により、売上高は前期を上回った。一方で、加工品分野は、前期における大口物件の剥落により、売上高は前期を下回り、これにより、当セグメント全体の売上高は、前期を下回った。営業利益は、高付加価値製品の販売伸長および経費圧縮に努めたことにより、前期を上回った。
その他事業の売上高は同5・0%減の17億8500万円、営業損失は3700万円(前期は営業利益7900万円)となった。物流事業は、取扱量の減少により、売上高は前期を下回った。塗装工事事業では工事受注が堅調に推移し、売上高は前期を上回った。営業利益は、塗装工事において収益率の高い物件受注が増加した一方、物流事業における拠点集約に伴う一過性費用の計上により、前期を下回った。
2027年3月期の通期連結業績予想は、売上高が同2・4%増の960億円、営業利益は同42・7%増の55億円、経常利益は同29・5%増の58億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同101・4%増の34億円を見込む。なお、直近の中東情勢による原材料調達への影響等の変動要素は織り込んでおらず、国産ナフサ価格はキロリットル当たり6万3千円を前提としている。

