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【決算】藤倉化成第3四半期、売上増加も収益減少

藤倉化成(加藤大輔社長)は2月10日、2023年3月期第3四半期連結決算を発表した。売上高は前年同期比5・4%増の387億1千万円、営業利益は同73・4%減の3億6900万円、経常利益は同67・4%減の5億4400万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同81・3%減の1億9600万円となった。
 
セグメント別の業績は、コーティング部門は、主力の自動車向け塗料は主要顧客の減産などの影響もあり国内での需要は低調であったが、海外においては自動車生産台数が回復傾向にあり堅調に推移した。非自動車分野では、ホビー用塗料が中国のロックダウンの影響を受け低調に推移し、化粧品容器向け塗料の販売も微減となった結果、売上高は同20・4%増の201億6千万円、営業利益は同68・7%減の1億8800万円となった。
 
塗料部門は、新築向け塗料の販売が一部顧客のウッドショックなどによる受注制限の影響や新規受注棟数の減少を受けて前年比でやや低調であった。リフォーム向け塗料の販売は、主要顧客において高耐久化や外壁のタイル化により塗り替え対象物件が減少したことを受け、需要が低調に推移した結果、売上高は同4・2%減の91億6500万円、営業利益は同51・7%減の2億8400万円となった。
 
電子材料部門は、パソコン・スマートフォン向け製品と車載向け製品は顧客の減産の影響を受け低調であったが、海外での安全装置部品の需要は堅調に推移した結果、売上高は同13・9%減の25億5800万円、営業利益は同71・3%減の2800万円となった。
 
化成品部門は、トナー用レジンの販売が上期は堅調に推移したが、下期に入り顧客の在庫調整が行われた影響で微増となった。壁紙用の粘着剤の販売は好調、メディカル材料分野では海外への試薬の販売が堅調に推移した結果、売上高は同4・8%増の31億5千万円、営業損失は5500万円(前年同四半期は営業利益1億3900万円)となった。
 
合成樹脂分野では、 子会社の藤光樹脂株などが取扱うアクリル樹脂の原材料・加工品の販売で、リチウムイオン電池向け製品の販売は堅調であったが、上期に好調だった車載向け製品の販売が低調に推移した。液晶テレビ用製品や樹脂原料の販売も引き続き低調に推移した結果、売上高は同17・1%減の37億4700万円、営業損失は7500万円(前年同四半期は営業損失3700万円)となった。