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PEEK樹脂 使用の強靭塗膜、CJ展出展

貿易商社グローバルコードが展開する「PEEK塗料」の塗膜は、高温環境下でも連続使用温度が260℃と高い耐熱性を誇り、長時間にわたって安定した性能を発揮する。塗膜硬度は鉛筆硬度で9Hと強靭で高い耐摩耗性、耐衝撃性を備え、ピンホールが発生せず塩水噴霧試験の評価も上々である。同製品を10月4日(水)からの3日間、幕張メッセで開催される『塗料・塗装設備展 コーティングジャパン』に出品する。グローバルコードの小間番号は【48-41】。

PEEK塗料の化学物質への耐性は、酸やアルカリ、有機溶剤等に対し、化学的な安定性を示していることから広範囲な用途で使用が可能。また、塗膜は低い摩擦係数値となり、機械部品や摺動部品に用いることで、摩擦と摩耗を低減し長寿命化を実現させる。抵抗を抑制する用途で採用が広がれば省エネルギー効果も期待できそうだ。

同塗料は、韓国の炊飯器加工メーカーZenith(ゼニス)が開発した製品をグローバルコードが販売総代理店となり、日本市場へ展開している。グローバルコードは、白物家電部材の商材を持ち、大手家電メーカー等への販売ルートがある。まずは、家電向けに市場展開を図り、販売協業も含めPEEK塗料の市場浸透を狙う。

当初から、炊飯器の内窯への塗膜耐久性を向上すべく高温下でも高い熱的、機械的特性を発揮するPEEK樹脂(ポリエーテルエーテルケトン)に着目し開発が進められた。塗料化する際に最も苦労した点は、PEEK樹脂機能を損なわない顔料等のその他の原料との分散である。優れた分散技術により、塗装後の表面粗度や熱的、機械的特性が安定している。

こうした塗料技術が評価され、炊飯器内窯やシューズソール成形金型、食品搬送容器等の耐久性向上に寄与している。金型については、離型剤の不使用化にも繋がり、食品搬送容器には洗浄性も高い。また、フライパン等では、フッ素からの置き換えも始まっている。今後、有機フッ素化合物(PFAS)が進むとした場合、フッ素樹脂系のコーティング材料からの代替による需要増も考えられる。

今年5月にインテックス大阪で開かれた「【関西】塗料・塗装設備展」にもPEEK塗料を出品し、多方面の産業分野から反応があった。同社・井上健吉社長は「潜在需要の大きさを確信した」とし、10月の幕張メッセで開催される同展での出展では、現在進めている試作品を多数展示予定しており、実際の適用例を発表するとしている。なお、現在、同塗料を扱う販売店も募集している。

℡06・6567・8577