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【決算】関西ペイント3月期、売上高大幅に伸長

関西ペイント(毛利訓士社長)は5月11日、2022年3月期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比15・0%増の4191億9千万円、営業利益は同3・6%減の300億9600万円、経常利益は同4・8%増の376億1100万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同32・4%増の265億2500万円であった。

セグメント別の状況では、日本は、自動車分野は新車用分野および自動車部品向け塗料では自動車生産台数が前期を下回り、国内向け売上は減少したが、輸出が増加したことから、売上は前期並みとなった。工業分野は産業機械向け塗料などが堅調に推移し、売上は前期を上回ったが、建築分野では家庭用塗料の需要の低下により、売上は前期を僅かながら下回った。自動車補修用分野および防食分野では、国内市況の本格的な回復には至らなかったものの、売上は前期を上回った。船舶分野では売上は前期を僅かながら上回った。利益は、為替差益が増加した一方、原材料価格高騰の影響を受け、前期を下回った。これらの結果、売上高は同3・1%減の1386億2千万円、経常利益は同7・3%減の143億9100万円となった。

インドは、自動車分野および建築分野では、新型コロナウイルス感染症による経済活動低迷の影響を受けたものの、前期が年初における新型コロナウイルス感染症拡大を抑止するためのロックダウンの影響を大きく受けていたこともあり、売上は前期を上回った。利益は、原材料価格高騰の影響を受け、前期を下回った。これらの結果、売上高は同32.9%増の971億3300万円、経常利益は同29.0%減の72億4千万円となった。欧州は、トルコでは現地通貨ベースでの売上が伸長したが、通貨安による原材料価格への影響等が収益を圧迫し、持分法適用会社が前期に受けた設備投資優遇措置による租税負担減少の反動で、持分法投資利益は減少した。その他欧州各国においては、工業分野および自動車補修用分野を中心に堅調な需要に支えられて売上は前期を上回り、欧州全体の売上は前期を上回った。これらの結果、売上高は同27.8%増の843億2千万円、経常利益は同7.4%増の56億800万円となった。

アジアは、中国では自動車生産台数の回復を受け、自動車分野での売上は前期を上回り、工業分野でも産業機械向け塗料が堅調に推移し、売上は前期を上回った。これらの結果、中国全体での売上は前期を上回った。インドネシア、タイでは、自動車生産台数の回復を受け、売上は前期を上回った。利益は、売上が増加した影響に加え、中国における持分法投資利益が増加したことなどにより増加した。これらの結果、売上高は同16.4%増の576億3100万円、経常利益は同56.5%増の72億5900万円となった。
アフリカは、南アフリカおよび近隣諸国の経済は新型コロナウイルス感染症の再拡大により厳しい状況が続いたものの、建築分野の需要を取り込み、南アフリカ地域の売上は伸長した。東アフリカ地域においても、建築分野での堅調な需要を取り込んで売上は伸長し、アフリカ全体の売上は前期を上回った。また、前期より不採算事業の整理および固定費の削減を進めた結果、収益性は改善された。これらの結果、売上高は同29.4%増の361億3100万円、経常利益は13億5400万円となった。その他は、北米では自動車生産台数は前期並みであったが、自動車部品向け塗料などの売上が前期を上回り、また持分法投資利益も増加した。 この結果、売上高は同4.7%増の53億5200万円、経常利益は同52.5%増の17億5600万円となった。
 
なお、前連結会計年度まで工業分野に区分していた自動車部品向け塗料は、今回から自動車分野に区分している。2023年3月期の連結業績予想では、売上高は同9.7%増の4600億円、営業利益は同3.6%減の290億円、経常利益は同4.3%減の360億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同20.8%減の210億円を見込む。