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関西ペイント、 アフリカ事業を売却

関西ペイントは6月1日開催の取締役会において、子会社のKansai Plascon Africa Ltd.(以下、KPAL社)およびKansai Plascon East Africa(Pty)Ltd.(以下、KPEA社)の関西ペイント保有株式を Akzo Nobel N.V.(以下、AkzoNobel)の子会社であるAkzo Nobel Coatings International B.V.に譲渡を決定、同社との間で株式譲渡契約を締結した。譲渡は2023年中に完了予定である。

関西ペイントは、2010年に南アフリカのFreeworld Coatings Ltd.(現KPAL社)を買収して以来、アフリカで建築用塗料を中心とした事業を運営。2017年には Sadolinグループ各社(現KPEA社)を買収し、東アフリカ地域へも進出を果たした。一方、2010年代後半から顕著となったアフリカ地域の景気減速や通貨安等を背景とした非常に不安定な事業環境に直面し、業績が低迷。この状況を打破するため、低収益資産の売却や物流拠点の集約等をはじめとする構造改革を遂行し、2022年3月期でアフリカ事業の経常黒字化を達成した。アフリカ事業の2022 年3月期の売上高は約361億円、経常利益は14億円となっている。

しかし、近年の事業環境は、新型コロナウイルスの感染拡大やロシアによるウクライナ侵攻等の地政学リスクの高まり、サプライチェーンの逼迫による自動車生産台数の減少、原材料価格の歴史的な高騰、さらには大型M&Aを含む活発な業界再編など、非常に複雑性を増している。こうした状況下で、関西ペイントは2021年11月に公表の第17次中期経営計画〝Good to Great〟で標榜している通り、BtoB、欧州、インドなどの強みを強化する新たな成長ステージへの移行を目指している。このことから、アフリカ事業については、建築用塗料の成長促進と展開国の拡大などの将来性に鑑み、AkzoNobelがベストオーナーと判断し、株式譲渡を決定した。