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【決算】関西ペイント、国内利益で大きく伸長

関西ペイント(毛利訓士社長)は11月9日、2024年3月期第2四半期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比9・3%増の2740億500万円、営業利益は同63・3%増の257億3400万円、経常利益は同52・5%増の320億8400万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同275・5%増の464億5200万円となった。
 
セグメント別の業績では、日本は、自動車分野では自動車生産台数が前年を上回り、売上は前年を上回った。工業分野、建築分野、自動車分野(補修用)および防食分野は、市況が緩やかに回復する中、販売価格の改善に取り組んだことなどからトータルで売上は前年を上回った。船舶分野では、外航船修繕向けの数量増加などにより売上は前年を上回った。利益は、一部の原材料価格が低下してきたことに加え、販売価格の改善に取り組んだことなどから前年を上回った。これらの結果、セグメント売上高は同9・0%増の801億4700万円、セグメント利益は同110・9%増の100億600万円となった。
 
インドは、建築分野では販売促進活動を推進するものの、モンスーンの影響による市況の低迷や競争の激化等の影響を受け、売上は前年を下回った。一方、自動車生産は安定しており販売価格の改善も寄与し、インド全体の売上は前年を上回った。利益は、一部の原材料価格が低下してきたことに加え販売価格の改善に継続して取り組んだことなどから前年を上回った。これらの結果、セグメントの売上高は同4・2%増の710億4千万円、セグメント利益は同38・8%増の89億4800万円となった。
 
欧州は、トルコでは自動車生産台数が前年を上回り販売価格の改善に取り組んだこともあり、売上は前年を上回った。その他欧州各国においては、主力の工業分野の売上が堅調に推移したことに加え販売価格の改善などに取り組んだ結果、売上は前年を上回り、欧州全体としても前年を上回った。利益は、インフレの影響による人件費等のコスト増の影響が大きく、前年を下回った。これらの結果、セグメント売上高は同18・8%増の646億8500万円、セグメント利益は同19・9%減の13億200万円となった。
 
アジアは、中国では自動車生産台数は前年を上回ったものの主要顧客の需要は伸び悩み、売上は前年を下回った。タイ、マレーシアおよびインドネシアでは自動車生産の回復に加え、販売価格の改善の取組みにより、売上は前年を上回った。利益は、一部の原材料価格が低下してきたことに加え、持ち分法投資利益も改善したことにより前年を上回った。これらの結果、セグメントの売上高は同8・7%増の349億6700万円、セグメント利益は同78・5%増の56億700万円となった。
 
アフリカは、南アフリカおよび近隣諸国の経済は慢性的な電力不足や物価高などの影響で回復が遅れ需要が低迷する中、販売価格改善などに取り組んだが、売上は前年を下回った。東アフリカ地域は建築分野において拡販に注力し、売上は堅調に推移したが、アフリカ全体の売上は前年をわずかに下回った。利益は、商品ミックスの改善やコスト削減への取組みなどにより前年を上回った。これらの結果、セグメントの売上高は同1・2%減の188億6900万円、セグメント利益は同37・4%増の15億4200万円となった。
 
その他では、北米は自動車生産台数が前年を上回り、売上は前年を上回った。利益は、売上の増加に伴い営業利益が改善したほか、持分法投資利益も増加したことなどにより前年を上回った。これらの結果、セグメントの売上高は同31・3%増の42億9600万円、セグメント利益は同148・9%増の11億9900万円となった。
 
なお、2024年3月期通期の連結業績予想を、売上高は同9・0%増の5550億円、営業利益は同40・3%増の450億円、経常利益は同21・8%増の490億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同126・2%増の570億円と上方修正した。