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塗装店向け採用・教育コラムスタート!

塗料報知新聞社のWEBサイト『WEB塗料報知』にて、建築塗装店の経営を支援する日本建築塗装職人の会・青木忠史会長の連載コラムがスタートする。8月から口火を切るテーマは、「塗装店の社員教育」。採用~教育に至るまで、具体的な戦略を含めコラムで発信する。連載を前にコラム概要、建築塗装店の社員教育の課題を青木氏に聞いた。



―採用・社員教育についての連載が始まります。

人口減少で人手不足の中において、事業を継続させていくには、定期的なコストをかけた採用活動が必要です。現状の塗装店には、組織作りを見据えた戦略を持つ塗装店が少ないです。一度の求人広告を打って判断するのではなく、経営ビジョンを伝えながら定期的な採用活動を実施すべきです。コラムではその必要性と方法論を発信していきたいです。

―採用後のミスマッチで離職も増えています。

採用者に経営ビジョンが伝わっていないケースが多いです。自社を正しく知り経営ビジョンを確立し、選考者に伝える。例えば、同じ塗装業でもより多くの人にサービスを届けるため、成長していきたいとなれば、多店舗展開となります。一方、長くお客様の関係を構築し、皆様の暮らしに貢献したいという堅実を売りにした会社もあります。時間軸を考えただけでも経営ビジョンは違ってきます。

経営者とお話ししていますと思考性はそれぞれ違うものの、経営ビジョンになると、多くの塗装店で考えていないところが多いです。先の例では、長期的なビジョンがあるほど、採用者は「将来のことを考えている」と会社の安心感に繋がります。

―「のび太くん採用」という採用方法を提唱しています。

他社で勤められなかった経験のある人。おとなしくまじめな人材等、一般の業界から未経験者を採用し、特性を見極めほめていく方法です。そういう人には、早くから人生のことを考えている人が多く、どこかで行き詰ったのですから、その人を押し上げていく教育システムが必要になります。これまでにも会員の中で「のび太くん採用」を実行して、親方や経営を引き継いだ人もいます。

事業は事業承継を前提にするものだと私は考えます。企業の継続性は大前提です。それには組織力が必要です。独立を希望する人よりも、長く働いてもらうとなると、まじめな人ほど組織は継続します。

強い組織をつくるには、採用した社員に、人生計画を早く伝えた方が良いです。あなたの塗装人生は「後継者を育てることにある」と、明確なビジョンを伝えてあげる必要があります。

―教育での大事なポイントは。

育成で重要なのはまずは、工事・サービスマニュアルを作成することです。塗装の流れや材料選定まで、育成にはマニュアルが重要な要素です。また、「教えることができる人」を新人につけること。仕事ができるのと、教えることができるのは違います。人の性質を見極めながら教育係を選任します。社内にいなければ、社長が自ら育てる必要があります。

コラムでは、必要な業務マニュアルや評価方法を具体的にお伝えできればと思っております。

―最後に、コラムはどのような塗装店に読んでもらいたいですか。

読者は3つの層がいると思います。既に塗装事業を展開していて、業績を安定させたいという層。これから元請けになり、集客から組織づくりまで知りたいという層。最後に、独立を目指し、経営の理解を深めたいという層です。一概に塗装店と言ってもタイプは、異なりますが、塗装店経営の基本となる「職人を大切にしたい」という方に読んでもらいたいです。

―ありがとうございました。