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〈6〉コラム:成功を塗り替える人材発掘法!塗装屋採用面接の極意

1-6.成功を塗り替える人材発掘法!塗装屋採用面接の極意(書籍プレゼントも!!)

〈6〉塗装店向け採用・教育の指南コラム

著者プロフィール:

日本建築塗装職人の会 会長 青木忠史
「日本を代表とする建築塗装店向けに展開する経営コンサルタント。
29歳の時、家業の建築塗装店を継ぎ、6,000万円超の借金をわずか3年で完済。そこから生まれた「地域密着型経営」、「職人直営専門店」の塗装店戦略を体系化し、コンサルタント業へ。これまで7,000件以上の塗装店経営者の経営相談を受け、700社以上の塗装店経営者へ直接経営指導してきた。

〈コラムの概要:著者インタビュー〉

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前回1-5.では、「良い塗装職人が採用できる広告・できない広告」でしたね。そもそも、工事店が提供する商品は「工事」そのもの。良い職人が居なければ不可能です。そんな工事をよくするのも悪くするのも職人次第、採用次第。楽ではありませんが、じっくり時間をかけて採用するべきというのが、「職人の会式」の考えであり、そのための求人広告作成法についてお話しました。

そこで今回は、いよいよ「成功を塗り替える人材発掘法!塗装屋採用面接の極意」について、お話してみたいと思います。

本内容は拙著「いちばんやさしい工事店経営の教科書」(152P~採用戦略~いい職人の見つけ方)を抜粋した内容となっていますので、本コラムと合わせて読んでみてくださいね。

 

1.自社に合う人材を見つける方法

自社に合う人材をどのようにすれば採用できるのでしょうか。

結論から申し上げますと、「素直な人を採用すること」です。仕事ができる・できない等はまずは100%度外視してください。最初のうちは、この人が素直な人なのか、そうでないのかもなかなか見抜けないものですが、何度も採用活動をしている間に、だんだんと素直な人を見抜き採用できるようになっていきます。

では、素直な人とはどのような人でしょうか?じつは、社長と親和性が高い人です。なぜでしょうか?

・人間は誰でも素直な側面を持っているもの
・しかし、自分と考え方が違う人の言うことは聞きづらいもの

なので、素直な人を採用することが、必然的に自社に合う人材を見つける方法となるのです。これは経営理念・ビジョン・価値観などがまだ定まっていない時期からできる最適な採用法です。

2.職人の採用面接で行う5つの質問

次に、以下の5つの質問をします。

上記の図解に合わせて説明するのはやや蛇足になりますが、説明しますね。

Q1.について

「勤める動機」が見極めポイントに合致していたら退社しにくくなります。

Q2.について

その人の仕事レベルをヒアリング段階でおおよそ確認をしていきます。昔の職人さんには「腕を見て判断してくれればいい」という方も多かったのですが、そのような方とは、入社後多くの場合、賃金面でトラブルになりますからね。今後は、賃金テーブル等も活用していき正社員雇用ができるように心がけていくためにも、しっかりと面接時に確認をすることが大切ですね。

Q3.について

嬉しかったこと・辛かったことを聞くことで入社後の人間関係もイメージできます。人間はおおよそ同じ思考パターン・行動パターンを繰り返しますからね。その上でも見るべきポイントを挙げるとしたら、「他責(たせき)・・他人の責任と考える習慣」か「自責(じせき)・・自分の責任と考える習慣」などは、よく見極めることが大切です。

あらかじめ分かれば、「うちで仕事を行っていく上では、『自責』で考えていくことが大切ですよ。部下がついた時には部下の失敗も上司の自分の責任と受け入れて努力できますか?」等と事前に指導をすることも可能となってきますからね。

Q4.について

愛する人のことを聞くことで、その人と人間関係構築を早める効果があります。工事店では、生涯通して長く働いてくれる社員が良い社員です。そのような社員と人間関係を構築するためには、愛する人の話をするのが一番だからです。逆に、心の壁を作っている人は、いずれ早かれ、遅かれ退社をすることもあるでしょうし、職長・責任者へとキャリアアップは期待できないからです。

Q5.について

「あなたにとって仕事とはどのようなものですか?」の質問は、純粋に面白い質問ですね。この質問をした時に、いろいろな話をしてくれる方ほど、良い仕事をする傾向が高かったです。

私の工事店でも「自分にとってこの仕事は使命ですね」と面接時に話てくれた当時20代後半だった青年は19年経った今も休まず勤めてくれており、これから先もずっと勤めてくれるようです。

また、この質問でいろいろ話をしてくれる内容をよく聞き、その職人さんの夢をあげるように考えていけると良いと思います。聞いた内容は、一人ひとりの「社員カルテ」に書いておくと忘れずに管理できますね。

3.目標は理解し合える職人だらけにすること

このような面接を継続的に行っていき、会社の中では、社長の考え方を理解してくれる職人だらけにしていくことと、一人ひとりの職人の考え方を理解できるように努力していくようにしましょう。

すると、必ず、退職率が少なく、マネジメント効率が高い(指示通りに仕事をしてくれる)良い会社になっていきます。昔は、いわゆる「風通しが良い会社」等とも言われていたことがありますかね。

このような会社を作るのは、「就業規則」を作ったり、「賃金テーブル」を設定したりする前に今回のような採用~面接を実行していくことで、どの地域でも、どんな方でも必ずできるようになります。また、難しい「経営ビジョン」「経営計画」などを描かなくても、それなりに良い人材を採用していくことは可能です。

ぜひトライしてみてくださいね。では!