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日塗工総会、サステナビリティの視点で

日本塗料工業会(毛利訓士会長)は、第38回定時総会を5月23日午後2時30分から東京都港区赤坂のホテルニューオータニで、3年ぶりの対面式で開催した。

あいさつする若月新会長


 
議案事項および今期は役員改選があり、理事33人、監事3人の選任が審議されすべて承認された。  今年度の重点事項は、LCAについてサプライチェーンにおけるCO2排出量を可視化する取組みを本格化する。
 
化学物質管理の取組みについて、おもに2022年改正の労働安全衛生規則における化学物質管理者、保護具着用管理責任者選任の義務化により、日塗工主催で講習会を開催し、希望者全員が受講できるように準備する。防食塗料分野の塗替塗装における、素地調整に関する情報が少ないという課題解決に向け「ブラスト施工技術研究会」と日塗工との協業体制による実地試験により「ビジュアルハンドブック」の作成を本格的に開始する。
 
塗料塗装普及の取組みについて「カラーコーディネータースキルアップセミナー」は、2022年度に基礎編に加えカラーコーディネーターのプロフェッショナルを育成する応用編を開催。更なる充実を図る。国際対応については、WCC(世界コーティング協議会)及びAPIC(アジア塗料工業協議会)等の取組みに積極的に対応する。
 
役員改選では、新会長に若月雄一郎氏(日本ペイントホールディングス)、副会長に遠田比呂志氏(日本特殊塗料)、春田隆司氏(カナヱ塗料)、専務理事に原川浩美氏(日本塗料工業会)、常務理事に児島與志夫氏(同)が選任された。
 
総会後、懇親会が開かれあいさつに立った若月雄一郎新会長は「新たな体制で塗料業界の発展のために努力していきたい。依然として、原材料価格・エネルギー・物流費の高騰など厳しい事業環境が続いているが、さらに重視していかなければいけない課題がある。サステナビリティの視点からの取組みと既存分野以外へのチャレンジを意識し、本会員共通課題である①国内外の化学物質管理への対応、②環境配慮型塗料の普及、③会員企業の安全環境問題への対応、④需要の開拓、⑤国際機関との連携強化に努めていく」と述べた。