吹き返り低減技術を開発 旭サナック
旭サナックは「2026新製品発表会」を9月16・17日の2日間、愛知県尾張旭市の本社各技術センターで行い、メーカーの塗装部門担当者や工業塗装事業者等、約250人が参加した。
新製品発表会のテーマを「Challenge TE100 Next~業界初への挑戦~」とし、塗料の電気的「吹き返り」を減少させる業界初の独自技術を採用した静電塗装システムを発表。静電、粉体塗装ともに塗着効率や省人化など塗装機だけでなく周辺機器をシステム化し、生産性向上を目指す新製品が並んだ。
発表会冒頭のあいさつで、同社代表取締役社長の服部修一氏は、「当社では塗着効率100%を目指すプロジェクト(TE100)を約30年前から展開し、この度第2ステージとして業界初の独自技術により塗着効率を究極まで高めた新製品を披露できることになった。次世代の塗装機・システムは、コスト低減、エネルギー削減、産業廃棄物削減、人手不足等に貢献し、脱炭素へも寄与できる。ただ、これが全てではなく、忌憚のないご意見を頂戴したい。開発は机上ではできない。ご感想やご批判を頂いて塗装技術開発に今後も邁進していく」と述べた。

新型エア静電ハンドガン「HB7000」の実演
静電塗装機での新製品発表には新型エア静電ハンドガン「HB7000」と静電コントローラー「BPS140」等がある。同静電塗装システムは、業界初技術「シールド機能」により、作業者への塗料の跳ね返りを最大80%削減できる。これまで静電塗装では、スプレイ距離が被塗物と離れた時に電気力線を作業者へ引き寄せてしまうことで、塗料が作業者の保護具に飛散していた。この現象を解決するため、新静電コントローラーを開発。同機の「シールド機能」をオンにすることで、ガンの動きに応じて電圧をリアルタイムに調整する。この機能により、電気的な跳ね返りを防ぎ、作業性向上や、保護具の交換頻度も減らせる。

吹き返り低減する「シールド機能」を搭載した静電コントローラー
また、HB7000は、新型エアキャップと電極前進機構による大幅な塗着効率向上を実現させた。従来品との比較では、平板部品塗装で24%削減、架台の塗装では46%の塗料使用量を削減できる(同社実験)。加えて、ガントリガを離した時に電極が突き出ない構造にすることで、電極損傷を防ぐ構造になっている。ガン洗浄時には、バブリング洗浄装置により、洗浄性が向上し、シンナーの削減も見込める。
塗着効率が改善した新型静電ハンドガン、塗料の吹き返りを低減する静電コントローラー、バブリング洗浄装置を、システム化することで、生産性向上につながる。 同システムは、発表後からテスト依頼などの引き合いが増えているとのこと。
塗装機以外では、新開発の耐圧防爆型の電動エアレスポンプ「エレックイージー」の発表があった。塗料供給ポンプは、自動車塗装などでは空気動式から電動式に代替が起きているが、他産業の塗装では空気動式が主軸。CO2排出量等を考慮した際に、自動車産業のように電動式の需要が高まる期待があり、同社でも電動ポンプをラインアップした。脈動の安定や稼働音低減、シリンダー部分に既存の空気動式パーツを活用できるなどのメリットが多くある。
