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大森翠さん、個展で色鮮やかな抽象絵画を発表

2020.10.18

大信ペイントの創業者・大森豊吉氏の次女 大森翠さんの個展が、9月12日~23日まで神戸市中央区のギャラリー島田で開催された。会場は20点の主に抽象作品が展示され、大型の作品は横長の絵を3分割した構図でダイナミックに描かれた。また水彩画は具象の繊細かつ高度な素描力のレベルの高さが光っていた。

展覧会の主旨は「具象画も抽象画もショパンの音楽を味わうように、ビートルズを楽しむように、その色合いやリズムにどっぷりつかり、心に染むものがあればつかんで欲しい」ということで、来場者はくつろいだ気分で芸術の秋を楽しんだ。


大森さんは、1968年に京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)洋画科を卒業。フランス政府の招聘と給費によりフランスに留学し、ニースやパリの国立美術学校で学ぶ。フランス芸術家協会が運営し世界最古の伝統を持つル・サロン展やセザンヌ、ピカソ、ルノワールらが活躍したサロン・ドートンヌ展などに入選している。

フランスから帰国後は主に画家、絵本作家として活躍。京都市立芸術大学で15年、京都造形大学で10年、その他30年以上にわたり後進の指導に当たった。また、かつての日本塗料倶楽部、後の日本塗料協会における絵画展で25年にわたり審査委員長を務めた。


展示作品の印象は、色彩がモダンかつ鮮やかで澄み切っていることだった。油絵では赤・青・黄の三原色を塗り重ねて色を作るが、ややもすると色が濁ってしまう。大森さんが創り出す色は混ぜるほどビビッドで輝く色となり、長年の経験に培われた感性が感じられた。その上、上品で美しいタッチは、ものすごい集中力の中から「ふわり」と生みだされるのかも知れない。

フランスを代表する色彩画家としてマチスやニコラ・ド・スタールが挙げられるが、特にニコラ・ド・スタールの影響を受けたとのことである。

観覧者から「日本の抽象画は概して重苦しいが、大森さんの絵は伸びやかに歌っている。日本人の絵ではないように見える」と印象の声が聞かれた。

興味深い話題として、在阪の百貨店のインテリアショップでは高級家具を扱っているが、豪華なイタリア製ソファーの装飾として大森さんの抽象画が壁にコーディネートされ、最高のマッチングだと評価され好評だったという。