大塚刷毛製造、KITTEで体験会 江戸刷毛の魅力発信
大塚刷毛製造は7月24日から28日までの5日間、東京都千代田区丸の内のKITTEで開催された東京都主催イベント「TOKYO KOUGEI PARK」に初出展した。主催者によると、会期中の来場者は約1万5000人に上り、物販と製作体験はいずれも過去最高を更新した。同社が27日に実施した江戸刷毛の製作体験には約10組が参加し、翌28日には職人による実演も行った。
同社は、江戸刷毛が職人の手仕事によって受け継がれてきた伝統工芸であることを広く知ってもらうため、初めて同イベントに参加。夏休み期間中とあって親子連れを中心に多くの来場者が訪れ、職人の指導を受けながら伝統工芸の技に触れた。体験者は、職人の指導を受けながら、刷毛の毛を束ねて形を整える工程「玉造り」を一通り体験。ブラシで毛を整え、板で毛先を揃えるなど、一見何気ない作業にも繊細な技術が求められ、職人技の奥深さを実感していた。
指導に当たった秋田工場工場長の石上鉄明氏は、「高級刷毛の多くは、熟練の手作業によって一つひとつ丁寧に仕上げられている。毛先の形を整えるのも指先の感覚が頼りで、一人前に作れるようになるまでには少なくとも1年以上はかかる」と説明する。わずかな形状の違いが塗りやすさや仕上がりを左右するため、経験を積み重ねながら技術を磨いていくという。
同社では、熟練職人から若手へ技術を受け継ぐ人材育成にも力を注いでいる。石上氏は「伝統工芸は職人の手仕事があってこそ成り立つ。江戸刷毛も多くの人に知ってもらい、技術がこれからも若い世代へ受け継がれていけばうれしい」と語り、今回の体験会が伝統技術への理解を深める機会になることに期待を寄せた。
同社は今後もこうした一般向けイベントを通じて江戸刷毛や職人技の魅力を発信するとともに、職人育成を進めながら伝統技術の継承に取り組んでいくとしている。なお、来年4月に幕張メッセで開催する「東京マルテー祭」でも刷毛づくり実演を予定しており、塗装文化の魅力をより多くの人へ発信していく。

展示ブースで明けの魅力を紹介する秋田工場の石上工場長
