WEB塗料報知|塗料・塗装、コーティング業界のプラットフォーム

2022年度3月期 第1四半期メーカー決算まとめ

前年減収から一部回復 自動車、工業、改修がアップ

3月期決算の上場塗料メーカーが2022年第1四半期業績を発表した。集計12社の全体の売上合計は2049億4100万円で前年同期比16・8%増と、前年の減収から一部の回復が見られ、2桁の増収率を確保した。営業利益は合計で153億200万円となり前年同期で赤字計上していた企業も解消した。新型コロナウイルスの影響を最小限に留めている結果となった。

セグメント別に見ると、自動車、工業、建築改修が回復を見せた。一方で、前年は旺盛な巣ごもり需要で好調であった家庭用・DIY分野は、巣ごもり需要が落ち着いたことによる反動で減収となった。特需需要が継続するには至らず平準化となった。

第2四半期の不安材料に塗料用の原材料供給がある。経済活動の回復における需要増や原材料サプライヤーの災害、不採算事業撤退などにより、溶剤・樹脂・顔料等の原材料価格が高騰している。特に、液状エポキシ樹脂においては、世界的な需要の逼迫が著しく、暴騰している様相にある。塗料メーカーは、各社価格改定を発表しており、改定の影響による市場の変化を注視する必要がある。同時に、輸送コストも上がっており、運賃も引き上げ傾向にある。

前年は公表が遅れた通期見通しは、今期は通常通り開示。12社のうち「増収増益」を予想する企業は5社となった。売上では、10%以上の増加とする企業は1社、5%~10%増は4社、5%増以下は1社。一方、減少を見込む企業は2社であった。

※集計は同決算期の関西ペイント、エスケー化研、中国塗料、大日本塗料、藤倉化成、日本特殊塗料、ロックペイント、アサヒペン、神東塗料、菊水化学工業、アトミクス、イサム塗料。

各メーカーの業績(2022年度3月期 決算対象)
 ・関西ペイント
 ・エスケー化研
 ・中国塗料
 ・大日本塗料
 ・藤倉化成
 ・日本特殊塗料
 ・ロックペイント
 ・アサヒペン
 ・神東塗料
 ・菊水化学工業
 ・アトミクス
 ・イサム塗料