7~9月期ロボット統計、受注・生産とも大幅増
日本ロボット工業会(橋本康彦会長)は、「ロボット統計受注・生産・出荷実績2025年7~9月期(会員ベース)」を発表。受注額が対前年同期比25・9%増の2219億円、生産額が同20・7%増の2072億円となった。
受注状況は、引き続き電子部品実装機が強い伸びを示したほか、マニピュレーティングロボットは垂直多関節ロボットが堅調で、受注台数、受注額ともに5四半期連続の増加となった。
出荷実績をみると、国内向けは依然として勢いはなく、主要業種・用途で減少した。輸出は電子部品実装用が旺盛な需要を背景に、中国やベトナムを中心にアジア地域で大きく増加した。同地域向けでは、半導体用も好調さが継続した一方で、溶接用は急激な減速となった。また、北米向けはマテハン用を中心に力強い回復が継続。欧州向けは国や用途で強弱があるものの、トータルとしては9四半期ぶりの増加となった。
世界的な自動化需要により、今後のロボット市場の継続した回復、成長が期待される一方で、地政学的リスクや関税政策等を背景に需要環境は依然として不安定のままで、先行きの不透明感は当面続くとみられる。
塗装用途ロボットの国内出荷数は、117台で対前年同期比12・5%増、輸出は556台で同45・2%増、総出荷は673台と同38・2%増で引き続き輸出がけん引する形となった。
受注・生産・出荷の各状況は次の通り。
▽受注=受注台数4万9213台(前年同期比20・0%増、5四半期連続の増加)、受注額2219億円(同25・9%増、5四半期連続の増加)
▽生産=生産台数4万7525台(同14・8%増、3四半期連続の増加)、生産額2073億円(同20・7%増、4四半期連続の増加)
▽出荷=総出荷台数4万7842台(同10・5%増、3四半期連続の増加)、総出荷額2168億円(同19・8%増、3四半期連続の増加)/国内出荷台数7744台(同29・1%減、3四半期連続の減少)、国内出荷額418億円(同16・7%減、2四半期連続の減少)、輸出台数4万98台(同23・9%増、3四半期連続の増加)、輸出額1750億円(同33・8%増、3四半期連続の増加)
▽国内出荷内訳:電気機械製造業向け=出荷台数2509台(同25・8%減、3四半期連続の減少)、出荷額131億円(同12・5%減、2四半期連続の減少)、自動車製造業向け=出荷台数2194台(同38・6%減、3四半期連続の減少)、出荷額122億円(同25・1%減、2四半期連続の減少)
▽輸出内訳:電子部品実装用=輸出台数4214台(同26・5%増、6四半期連続の増加)、輸出額729億円(同38・3%増、6四半期連続の増加)、溶接用=輸出台数7337台(同5・7%減、3四半期ぶりの減少)、輸出額181億円(同7・2%減、3四半期ぶりの減少)

