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2025年度需要実績見込117万4千t

日本塗料工業会(毛利訓士会長)が3月13日に発表した2025年度の塗料需要実績見込みは、前年度比3・9%減の117万4千トンとなる見通しだ 。首都圏の再開発や万博関連の需要は堅調だったものの、資材価格や人件費の高騰、戸建リフォームの停滞が下押し要因となった 。2026年度は回復が期待される発表があったが、緊迫する中東情勢などの外部要因が影を落としており、先行きには不透明感が増している。         
 
建物向け需要は28万7千トン(前年度比3・6%減)にとどまる見込みである 。都市部の大規模再開発プロジェクトというプラス材料はあったものの、深刻な人手不足や物流コストの上昇による「需要の冷え込み」がそれを上回った。また、建築資材向けも新設住宅着工数の減少や、前年度の省エネ基準適合義務化に伴う駆け込み需要の反動により、前年度比6・0%減と厳しい数字となった。 
 
工業用分野では、自動車生産の回復により新車向けが微増の前年度比0・3%増を維持し、電気機械や一般機械向けも前年並みを確保する見通し。一方、金属製品は、粉体塗料は好調なものの、鋼製建具など建設投資低迷による需要減により、前年比減となる見込み。
 
船舶は前年度比1・9%増と好調を維持。造船関連の市場規模は拡大基調にあり、海運業界は好調な業績を示している。塗料出荷としても新造、修繕とも堅調に推移した。
 
2026年度の予測については、総需要前年度比1・1%増の118万7千トンと、緩やかな回復基調に転じると算出されている 。しかし、同予測を作成する調査は2月末のものであり、最新のイラン情勢をはじめとする地政学的リスクを加味していない。現在、サプライチェーン全体で原料調達の供給不安が発生しており、塗料・溶剤も各社出荷制限や値上等で、需給バランスが崩れつつある。船舶向け需要において一部で「地政学的緊張の高まり」が懸念材料として挙げられているように、国際情勢の悪化は塗料需要の前提を根底から覆す可能性を秘めており、今後の動向を注視する必要がある。