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関西ペイント、JCOT「編集委員長賞」を受賞

関西ペイントは、日本塗装技術協会(JCOT)の「2025年度編集委員長賞」を受賞した。同賞は、同協会が発行する会誌「塗装工学」に掲載された記事の中から、塗装・塗料および関連技術の向上発展に大きく寄与すると認められたものに授与される賞である。

筆頭著者の長野千尋氏

▽技術資料名=リチウムイオン電池用導電助剤ペーストへの分散技術の応用
▽受賞者=長野千尋(筆頭著者、グローバルR&D・調達本部G‐R&D・調達部)/塚本敦史(共著者、グローバルR&D・調達本部G‐R&D・調達部)/岡本好広(共著者、開発調達本部分析部)/桑原和弘(共著者、開発調達本部分析部)
▽技術資料概要=リチウムイオン電池の電極には、電気を流すための微粒子「導電性カーボン」が加えられており、  これを液体(ペースト)の中にムラなく適切に分散させることが電池の生産性と性能を大きく左右する。同社は、塗料で培った顔料分散技術を電池用ペーストに応用し、 顔料(粒子)表面・分散剤・溶剤の相互作用を制御することで、最適な分散状態を実現した。さらに、計算科学で分散の仕組みを解明し、NMR(核磁気共鳴分光法)で検証することで、分散剤の設計や製造条件の指針を確立した。
▽受賞理由=編集委員会における審査の結果、本技術に関する掲載記事が特に優れた内容と評価されたため。
▽技術的意義(電池の性能向上)=導電性カーボンが電極内に均一に分散されることで導電ネットワーク(電気の通り道)が整い、内部抵抗の低減が期待される。これにより、充放電のしやすさ・容量・寿命の向上に加え、製造ばらつきの低減による品質の安定化につながる。高性能かつ長寿命な電池の実現に資する技術であり、EV車や再生可能エネルギー分野における蓄電用途など、  社会全体の電動化・脱炭素を支える基盤づくりへの貢献が期待される。
▽計算科学による他分野への広がり=本研究は「現象を分子レベルで理解し、狙って材料を設計する」手法を確立したもの。微粒子分散は、塗料・インキ・化粧品・セラミックス・電子材料など多様な分野に共通する課題である。従来の試行錯誤型の開発を「理論から予測して設計する」開発へと転換でき、開発の高速化や試作・材料ロスの削減が期待される。「塗料から電池へ」にとどまらない分野横断の技術展開を加速する点に、大きな意義がある。