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サンコウ電子研究所、「高機能素材WEEK 大阪」レポート_塗料・塗装設備展【大阪】

RX Japanは、5月14日から16日まで、大阪市住之江区のインテックス大阪において「高機能素材 Week 大阪」を開催した。ここでは、編集部が注目したブースを紹介する。

デュアルプローブ対応の膜厚計

サンコウ電子研究所の膜厚計は、高精度で耐久性にも優れ、安心して使えるとユーザーから高く評価されている。今回の塗料・塗装設備展では電磁式・渦電流式両用膜厚計「SWTNEO Series」を中心にアピールした。

専用プローブで測定素地金属を自動判別も可能な「SWT-NEO Series」

SWTNEO Series」は、従来モデルから大幅に機能が強化されており、より高精度かつ多用途に対応できる製品群である。金属上の塗装やめっき・皮膜などを非破壊で測定することができる。同シリーズは、鉄素地用(磁気誘導式)と非鉄金属素地用(渦電流式)の両方に対応したプローブを接続可能となっている。プローブの差し替えにより、さまざまな素材の膜厚測定が可能である。専用プローブを使用することで、測定対象の素地金属を自動で判別し、適切な測定モードに切り替わる。

また、チルトスタンドを新たに装備し、LCD画面の表示をカメラで写すことが楽になった。従来の膜厚計と比べると、ボディーがすっきりしてスリムになり手持ち作業の疲労が低減される。デュアルプローブ対応で測定用途に合わせた接続プローブの選択が可能である。薄膜から厚膜まで測定できる各種プローブを用意している。

グラフィックLCDには操作手順がガイド表示され、表示の文字も大きく、4つのキーで直感的な操作が可能。USBケーブルでパソコンと接続し、測定のたびにデータをリアルタイムで転送できる。測定範囲は0~2.0㎜のワイドレンジ。ゼロ・標準調整ですぐに測定可能。メモリ、統計機能などが付いた高機能なSWTNEOⅡ型も用意している。

タブレット一体型の超音波式膜厚計

新製品の超音波膜厚計「クイントソニックT」。塗膜厚を最大8層まで非破壊で測定

最新の膜厚計として、超音波膜厚計「クイントソニックT」を展示し、デモを行った。産業用タブレット一体型の超音波式膜厚計で、大型モニターにも接続できる。同製品は、超音波パルス方式に基づいた高精度な膜厚計で、金属系素地以外にも木材、プラスチック、ガラス、セラミック、塗膜厚を非破壊で測定できる。さらに、GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)、WPC(木材・プラスチック再生複合材)などの先端材料の測定にも最適である。

一度に最大8層までの多層コーティングの厚さを非破壊で測定可能。10μm以上7㎜以下の膜厚や、素材の厚さも測定できる。膜厚計では今後、検査する素材の多様化への対応が課題として挙げられている。従来、膜厚計は鉄やアルミなど金属上の膜厚測定に使用されてきた。しかし最近は、プラスチック、木材、ガラス、セラミック、複合材などのコーティングが増加し、非接触・非破壊で測定できる技術が求められている。「クイントソニックT」はそのニーズに対応するもので、今後の進展が期待されている。また、計測機器全般でDX化が重要な課題となっている。最近では、測定値を手書きやUSB保存ではなく、リアルタイムでPCやネットワークに送信し、管理や分析に使う流れが一般化している。同社ではDXによるデータ連携・効率化に向けて積極的に対応を進めている。

なお、同社では様々な素材への対応や、測定方法を提案するのが得意としている。自動化や乾燥前の膜厚を測定するソリューションも展開している。

塗膜検査工程の自動化なども提案

乾燥前に膜厚検査が可能な非接触膜厚計「コートマスターフレックス」