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【業界DX】大陽塗装工業×アンドパッド

記録蓄積、再依頼に対応 

<アンドパッド『ANDPAD施工管理』採用事例>

大陽塗装工業(岡山・辻昌人社長)は創業明治13年、岡山の老舗塗装会社である。建築塗装をベースに橋梁にもフィールドを拡げ、現在は〝建築〟と〝橋梁〟の2本柱で塗装事業を展開。地元である岡山県を中心に中国・四国9県をメインに活動している。同社の職人は、18歳の若手から60歳以上のベテランまで幅広い年代が現場で活躍している。施工管理者を含め、現在17人が1級塗装技能士の資格を保有しており、長年培った技術力を強みに顧客の信頼と実績を積み上げてきた。

右から専務取締役 辻雄太氏、営業部主任 細岡嵩功氏

このように企業基盤が安定し、事業活動も順風満帆に見える同社だが、課題は尽きないという。特に重視しているのは「人材不足」である。7年前から本格的に若手の人材募集を開始したが、初めは希望者が皆無であった。そこでまず、塗装業界に対する3K(きつい・汚い・危険))等、マイナスイメージを払拭し、塗装に興味を持ってもらうことを目指している。具体的には、高校・専門学校との接点を増やし、学生への塗装体験・現場見学を積極的に行うことで、塗装の楽しさ・やりがいを伝える取組みを行っている。

また、同社先代が長年塗装試験の検査員を務め、塗装職人の育成に注力してきた背景から、入社後も資格取得支援、技術継承等について手厚くサポートしている。その他、福利厚生の一環として、バーベキュー大会や社員旅行等、年に数回の社内イベントを行うなど、社内コミュニケーションの活性化にも注力している。この結果、3年程前から18~20代前半の職人が複数人増えたとのことだ。

同社では、老舗ならではの古い風習による課題も感じていた。現場と管理側との情報共有や情報管理が属人的になっていることや、人工計算が紙で運用されているなど、アナログによる事務方の負担も大きく「DX化」の流れに乗り遅れていることを痛感していた。人材不足とDX化という、2つの課題解決を模索しているなか、ANDPAD担当者と複数回面談を重ね、当社の課題改善につながると確信。2021年にANDPADの導入に至った。

ANDPAD活用の様子

導入後、現場では職人が元請からの安全指示事項や入場規則の変更などをリアルタイムに伝えることができるため、駐車スペース等に関するクレームが減少。現場への地図や工程表については紙媒体を使用し、注意点等については口頭指示を行っていたが、ANDPAD内で全て完結できるようになった。ANDPAD内に記録が全て残ること、確認したい時にアプリ内ですぐ確認できることから伝達漏れ、聞き忘れが無くなった。また、ANDPAD内に登録した現場は記録を蓄積していくことができるため、5年、10年後に同じ物件で再度工事の依頼があった際はすぐに対応できるよう、使用した塗料等材料の内容を記録するようにしている。

人工計算の報告書の画像

その他の日常業務においても、給与は今まで紙媒体で日報を提出し計算を行っていたが、ANDPAD担当者の協力により、出退勤をANDPAD内で報告するシステムを構築でき集計作業が早くなり、事務員の作業負担も大幅に減ったとのことだ。これまで長年アナログで仕事をしてきたことにより、慣れるまでに時間を要していることから、完全なアナログ脱却にはまだ至っていない。しかし、ANDPAD担当者が導入後、定期的にヒアリングや勉強会を開催してくれるなどのアフターフォローにより、少しずつではあるが着実に会社のDX化に繋がっていると感じている。

今年に入り、複数の取引先でANDPADを利用するとの連絡があり、協力会社として同社が招待された事案もあった。今後ますます利用企業が増えてくると予想されるため、まずは誰に聞かれても対応できるよう、従業員のANDPAD利用方法の教育を念頭に取り組み、その後、懇意にしている同社の協力会社を中心に展開していきたいと、ANDPADを応用したさらなる事業活動への意欲を見せている。