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1Q動向観測アンケート、工業分野は11・1ポイント増

日本塗料工業会(毛利訓士会長)は8月24日、2026年度第1四半期の「業種別動向観測アンケート」を発表した。中東情勢の影響により、先駆買い・値上げによる効果から、前年同期比で塗料の出荷金額は増加傾向となった。塗料原材料購入価格の上昇に応じて販売価格が上昇、一部では製品供給が追い付かず、在庫を崩しての対応となった。
   
同アンケートは、集計企業数31社が回答。前年同月比の出荷金額で大幅な上昇となったのが、「木工製品」(24・5ポイント増)、「建築」(16.3ポイント増)、「トラフィックペイント」(15.3ポイント増)、「船舶・構造物」(14・5ポイント増)と、中東情勢の影響が大きく数字に表れた分野とも言える。建築では、「都市再開発や改修需要が引き続き市場を下支えした」と、メーカーコメントが見られ、大型物件を中心に需要が底堅かった。構造物では、汎用錆止めを中心とした買込みも見られた。トラフィックペイントも、工事発注は堅調に動き先駆買いに対して、一部在庫への注文集中も生じている。
 
一方で、車両の「新車」は、1・8ポイント増にとどまっている。国内自動車メーカーの微減生産傾向も影響している。

工業用塗料の出荷金額推移傾向(前年同月比%)
(「機械・電気機械・金属製品」の各月の業況観測アンケートを集計) 

工業用分野となる、機械・電気機械・金属製品は、11.1ポイントの増加。中東情勢悪化による供給不安から一般工業用需要が増加し、数量・金額ともに堅調となった。建機・農機、工作機械などの他、半導体関連やデジタル機器向けプラスチック用塗料の引き合いが強かった。
 
工業用分野を深堀してみる。日塗工では各月で業況観測アンケートを実施しており、「機械・電気機械・金属製品」の出荷金額のアンケートを抽出してまとめた(=図)。年初の弱含みから一転、春以降中東情勢の影響が市場を変えた。
 
1月(前年同期比98・1%)、2月(同99・0%)は前年割れの静かな立ち上がりだったが、3月には111・8%へと急上昇。3月以降の中東情勢緊迫化に伴うサプライチェーンや原材料調達の懸念から、顧客が先行確保を図った需要の急増がある。4月(同115・2%)以降は数量確保に加え、ナフサ等のコスト高を受けた価格改定(値上げ)の浸透が金額をさらに押し上げた。5月は大型連休による工場の稼働日数減少で同107・5%へと一時的に低下したものの、稼働が戻った6月には119・2%までⅤ字回復しピーク値を記録。7月も高水準を維持している。
 
今後は先行確保された在庫の調整局面や、最終製品への価格転嫁の持続性が市場の焦点となる。また、塗料の価格が高止まりしており、塗装以外の表面処理方法を選択する機会になるのでは、という不安の声も聞こえる。